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脱分化型脂肪肉腫におけるテロメア維持機構:腫瘍進展機構の解明と予後予測への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K20767
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

國枝 純子  東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (60963428)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード脱分化型脂肪肉腫 / テロメア / テロメア維持機構 / TERT / 軟部腫瘍 / 脂肪肉腫
研究開始時の研究の概要

脱分化型脂肪肉腫は、高分化型脂肪肉腫を前駆病変とする悪性腫瘍で、MDM2遺伝子の増幅を特徴とする。一般的に複雑な染色体異常を示す肉腫では、テロメア維持機構としてテロメラーゼ活性化よりもALT(テロメラーゼ非依存性テロメア伸長)が高頻度に認められるとされるが、詳細はいまだに解明されていない。本研究では、脱分化型脂肪肉腫の症例を使用し、テロメア維持機構、染色体異常の複雑性について検証する。これらと臨床病理学的特徴との関係を解析することで、脱分化型脂肪肉腫の腫瘍進展について、より包括的に理解することができ、予後予測に有用な情報を得られると考える。

研究実績の概要

がん細胞の無限増殖性に重要な役割を果たすテロメア維持機構には、テロメラーゼ活性化と、Alternative lengthening of telomeres (ALT; テロメラーゼ非依存性テロメア伸長)の2種類が知られている。一般的に複雑な染色体異常を示す肉腫では、テロメア維持機構としてテロメラーゼ活性化よりもALTが高頻度に認められる。脱分化型脂肪肉腫においてもALTが多いとされるが、詳細はいまだに解明されていない。脱分化型脂肪肉腫におけるテロメア維持機構の詳細をテロメラーゼ活性化とALTの両方から解析し、染色体異常の複雑性や予後、組織像を含めた臨床病理学的項目との関連について検討する。そこから脱分化型脂肪肉腫の腫瘍進展について、より包括的に理解することができ、予後予測に有用な情報を得られることを目的とする。
まずは脱分化型脂肪肉腫36検体において予備検討を行ったところ、ALTはこれまでの報告と同程度の頻度で認められた(31%)。また、TERTプロモーター点変異は認められなかったにも関わらず、TERT mRNAの発現が認められた症例や、FISH法にてTERTの増幅が認められた症例があり、いずれもALT陰性症例であった。
さらに解析を進めるため、症例選定として、先行研究で収集した36例に加えて、脱分化型脂肪肉腫のFFPE標本が利用可能かつ5年以上の長期予後が判明している症例を中心に収集しデータベースを作成した(約50例)。
次に、FFPE検体からHE標本を作製し、FNCLCC grade等の病理組織学的特徴を評価した。また、組織学的特徴解析の手段として、粘液型脂肪肉腫を用いてAIモデルを使用した予備検討を行った。今後は代表的な症例を抽出してテロメア維持機構の解析や全エクソンシークエンス解析でコピー数の異常を含めて遺伝子異常を検索する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請者は令和4年12月から令和5年4月まで産前産後および育児休暇を取得しておりその間研究は休止していたため、当初の研究計画よりやや遅れがでている。
補助事業期間延長申請を提出し、研究期間の延長によって研究の遅れを取り戻す予定である。

今後の研究の推進方策

tissue microarrayの作製後、テロメア維持機構の解析としてTERTの再構成、増幅の有無(TERT split FISH、TERT copy number FISH; TMAを使用)、テロメラーゼ非依存性テロメア伸長(ALT)の有無の判定(telomere specific FISH; TMAを使用)を行う。そして必要ならばTERTプロモーター変異の有無(DNAシークエンス)、TERT mRNA発現量の定量(リアルタイムPCR)を行う。そしてALTとTERT異常の有無で層別化し、代表的な症例を抽出して全エクソンシークエンス解析でコピー数の異常を含めて遺伝子異常を検索する。また、AIモデルを用いた組織学的特徴解析を検討する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Histologic artificial intelligence (AI) model for predicting prognosis of myxoid liposarcoma2024

    • 著者名/発表者名
      國枝純子, 高松学,山下享子,阿江啓介, 松本誠一, 石川文彦, 竹内賢吾
    • 学会等名
      第113回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2024-12-25  

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