研究課題/領域番号 |
22K20768
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
川筋 仁史 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (40957916)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | COVID-19 / 2価ワクチン / 指先採血 / 乾燥濾紙血液 / ブレイクスルー感染 / ワクチン / 中和活性 / 重症化予防 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、COVID-19重症化制御を目的とした日本独自のワクチン接種計画を立案することである。シュードタイプウイルスを利用した中和抗体評価法で、患者とワクチン接種者の変異株への中和活性値を測定し、COVID-19症例の重症度・炎症度・ウイルス動態と比較し、重症化を予防し得る中和活性レベルを推定する。この推定値と、継続中のワクチン接種後の大規模追跡調査の中和活性値と照合することで、重症化リスクが高まる時期を推定する。感染流行状況や既感染者割合など集団免疫獲得状況で独自性のある日本において、国内エビデンスを基盤とした、より最適なワクチン接種計画の立案が可能となる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、COVID-19感染を予防し得る中和活性レベルの推定と中和活性多検体処理技術の構築である。COVID-19ワクチン接種後抗体追跡調査では、ワクチン接種後のブレイクスルー感染者と非感染者の感染前中和活性を比較することで、血清200倍希釈で中和活性が50%を下回った場合にブレイクスルー感染を引き起こすリスクが高くなることを明らかにした。また、指先全血を濾紙に吸収させた乾燥血液を用いて中和活性を評価できることを見出し、時間および温度安定性を確認するなど、採取から測定までの一連のプロセス最適化を行い、成果公開を行なった(Kawasuji, Vaccine 2024)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、COVID-19感染リスクが増加する中和活性レベルが明らかにするとともに、個人および集団の免疫獲得状況を迅速かつ安定的に多検体処理可能な技術構築に取り組み、指先採血を吸収させた濾紙乾燥血液で中和活性が評価できることを見出した。指先採血は、簡便かつ感染リスクを下げられる方法として、新興感染症で必ず課題となる免疫獲得状況を広く知るための安全な手段につながり、ワクチン接種が必要な対象者の選定や最適な接種時期の計画立案など、ワクチン予防効果不透明性の課題を克服できるとともに、今後の様々な微生物へのワクチン接種計画にも応用の可能性が開ける。
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