研究課題/領域番号 |
22K20778
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
安藤 眞 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60962222)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | CAR T細胞 / 疲弊T細胞 / ステムセルメモリーT細胞 / CAR T細胞療法 / がん免疫療法 / T細胞疲弊 / CAR T療法 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫の主体である細胞傷害性CD8+T細胞はがん微小環境化で、慢性的な抗原刺激によって疲弊化し抗腫瘍効果が減弱する。CAR-T細胞療法は血液がんでは大きな成果が得られたが、疲弊化に起因する治療効果の低下により固形がんに対しては未だ効果が認められない。一方、幹細胞様メモリーT(TSCM)細胞は最も幼若なメモリーT細胞で、増殖能や長期生存能に優れており強力な抗腫瘍活性を有する。本研究では、疲弊抵抗性CAR-T細胞の作製と、完全に疲弊化したT細胞から若いTSCM様細胞への誘導法を開発し、固形がん治療への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
CAR T細胞の幹細胞性の喪失や疲弊は、固形癌を標的としたCAR T細胞療法の大きな障壁となっている。我々は、これらの課題を解決すべくCAR T細胞の疲弊と幹細胞性に焦点を当て、CAR T細胞のリプログラミング法の開発に取り組んだ。本研究では、ドミナントネガティブNR4Aの遺伝子導入がCAR T細胞の抗腫瘍活性を増強させることを明らかとした。一方、CAR T細胞の幹細胞様プログラムがFOXO1によって制御されていることを明らかとした。以上より、疲弊化因子NR4Aの機能阻害および幹細胞様因子FOXO1の活性制御は、固形癌を標的としたCAR T細胞療法の開発戦略として極めて有望であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CAR T 細胞療法は抗癌剤耐性の白血病患者に対して強い治療効果を示し、期待されているT 細胞移入療法であるが、固形がん患者に対しては未だ十分な治療効果が認められていない。本研究では、今まで不明であったCAR T細胞の運命を左右する転写因子として、FOXO1を同定した。さらに、疲弊因子NR4Aの機能阻害および幹細胞性因子FOXO1の活性増加による抗腫瘍活性の増加には、ミトコンドリア代謝リプログラミングが重要であることが明らかとなった。これらを同時に調節できれば、より効果的なCAR T細胞療法として未だ達成されていない固形がんを標的としたCAR T細胞療法への応用も期待できる。
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