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炎症性腸疾患におけるBCG治療の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 22K20779
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
研究機関福岡大学

研究代表者

高橋 宏幸  福岡大学, 医学部, 助教 (30946520)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードBCG / IBD
研究開始時の研究の概要

IBD患者数は世界的に増加傾向にある。根本的な原因は未だ不明であるが、その制御には細胞レベルでの炎症性サイトカイン産生抑制が重要である。近年、 BCG の”off target効果”が注目されている。申請者自身も自己免疫疾患に対するBCG治療の研究に従事していた経験から、同ワクチンはIBD治療に応用できるのではと考えた。つまり、本研究はBCGが異常な免疫活性状態を正常化させ、IBDの発症抑制に寄与するという仮説をマウスモデルで検証するものである。

研究実績の概要

本年度は引き続き研究者が勤める福岡大学筑紫病院の臨床データを使用して、inflammatory bowel disease(IBD)患者のデータベース作成に取り組んでいる。施設の倫理委員会に申請し、データ収集のための必要書類を作成した。研究者は今後、マウスを用いてBCGのIBD発症抑制効果を探る予定だが、まず人間の疫学データを示したいと考えている。BCG接種率の高い国はIBD患者数が比較的少ない傾向にあることが示唆されているが (Lancet 2017; 390: 2769#8211;78; THE BCG WORLD ATLAS 3rd Edition)、BCG接種がIBD罹患リスクだけでなく、白血球数やその分画、ステロイドや抗TNFα製剤等の使用歴にどのように影響を及ぼしているかを解析している。またIBDの長期罹患によるcolitis associated cancer (CAC)発症率についても解析中である。
In vitroの実験ではBCGのTregの抑制能増強効果を評価しようとしている。人間のPBMCを採取してBCGと共培養した後、TregのみをソートしてCD8+T 細胞と共培養し、CD8+T 細胞の増殖を評価する実験系である。その結果、BCGと共培養したTregは対照群のTregに比べて、CD8+T 細胞の増殖を抑制する傾向にあった。
なおマウスIBD発症モデルとして当初SAMP1/Yitマウス使用を予定していたが、予算の問題で、デキストラン硫酸ナトリウム塩(DSS)をBalb/cマウスに導入したIBDモデルを使用することにした。現在、同モデルマウス作成のためのDSS量調整、BCGの投与量および経路について検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

目標はヒトのPBMCを使ったin vitroでの共培養実験系を確立することだったが、研究者の異動等によりプロトコール作成しか進んでいないため。

今後の研究の推進方策

マウスを用いたin vivoの実験に邁進していきたいと考えている。Balb/cにDSSを導入し、BCG群と対照群で体重の推移や発熱の有無、便の性状等を観察してIBD発症率を比較する。IBD発症は下痢・下血症状で診断し、その発症率をKaplan Meier法とLog-Rank検定で評価する。BCG投与後12~20週で安楽死させ、病理組織学的評価、リンパ球サブセット解析、遺伝子発現の網羅的解析を予定している。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2024-12-25  

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