研究課題/領域番号 |
22K20784
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福田 友彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50805786)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | TWSG1 / BMP / がん幹細胞 / 細胞遊走 / EMT / がん抑制遺伝子 / cancer stem cell / 卵巣癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、 ①卵巣癌患者の腹水を回収し、BMPリガンドとTWSG1の分泌を蛋白レベルで検出し、同時にBMP経路の活性化を卵巣癌検体のリン酸化SMAD1/5/8の免疫組織化学で評価し、相関関係を明らかにし、 ②TWSG1が卵巣癌に於いて腫瘍抑制効果を持つか、細胞株を用いた実験を同所移植または腹腔内投与マウスモデルを含めて施行し、 ③卵巣癌細胞株に様々なリガンドやホルモンを添加後の発現を評価し、制御メカニズムを解明し、TWSG1を標的とした分子標的治療を探索するため、研究を遂行予定である。
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研究成果の概要 |
卵巣癌細胞株を用いて、TWSG1がBMP7による下流因子のSMAD1/5/8のリン酸化,ID1,SNAILのmRNA発現を共に抑制する事が示された。更に、スフェア形成アッセイ,細胞遊走アッセイに於いても、TWSG1はBMP7によるスフェア形成の亢進,細胞遊走の亢進に拮抗した。従って、TWSG1はBMP7アンタゴニストであり、腫瘍抑制遺伝子として機能する事が示唆された。子宮体癌臨床検体を用いた評価では、脈管侵襲を認める症例や、high gradeの症例でTWSG1のmRNAが有意に低下していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣癌は早期に腹腔内播種を引き起こす事が知られており、様々な分子標的治療が登場した現在でも難治性の悪性腫瘍である。我々の過去の報告から、BMP経路は卵巣癌の腹腔内播種を亢進させる可能性が示唆される。本研究ではTWSG1がBMP7に拮抗する事で、卵巣癌の腹腔内播種を抑制する可能性が示された。詳細なTWSG1の発現制御メカニズムを同定出来れば、卵巣癌患者に於いて、TWSG1の発現亢進を引き起こす事で卵巣癌の腹腔内播種をコントロールし、予後の改善に繋がる可能性があり、有望な新規分子標的治療になる事が期待される。
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