研究課題/領域番号 |
22K20785
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
吉藤 康太 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (20830128)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 原発性眼球内リンパ腫 / 中枢神経進展 / 網羅的遺伝子解析 / 中枢神経浸潤 / 次世代シーケンサー |
研究開始時の研究の概要 |
原発性眼球内リンパ腫は病変が眼球内に限局している稀なリンパ腫である。高率に脳などの中枢神経領域に進展し予後不要である。また、中枢神経領域に進展しないものも存在するが、中枢神経領域の進展に何が関与しているかは不明である。 本研究は、次世代シーケンサーというゲノム配列を高速に解読できる技術を用いて網羅的に遺伝子解析を実施し、原発性眼球内リンパ腫で高率に認められる遺伝子異常を明らかにし、新たなバイオマーカーを探索することを目的とする。また、中枢神経領域への進展に関与している遺伝子異常を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、当院で診断および治療を行った36例のPVRL患者の診断時の硝子体検体を用いて網羅的遺伝子解析を行い、PVRLの遺伝子異常を明らかにした。本症例数は既報と比べても最多である。 また、網羅的遺伝子異常の結果を用いて中枢神経進展に関与する遺伝子異常を探索し、初めてETV6欠失とPRD1異常がPVRLの中枢神経進展に関与する遺伝子異常であることを同定した。さらに、これら2つの因子を用いてslow-、intermediate-、rapid-groupに分類し、中枢神経進展リスクモデルの構築に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、36例という既報と比較して最多のPVRL患者の診断時硝子体検体を用いて網羅的遺伝子解析を行い、PVRLの遺伝子異常を明らかにした。また、世界で初めてPVRLの中枢神経進展に関与する遺伝子異常としてETV6欠失とPRDM1異常を同定し、2つの遺伝子異常を用いて中枢神経進展リスクモデルの構築に成功した。今後別コホートでのバリデーションや、これらの遺伝子異常がどのようにPVRLの中枢神経進展に関与しているかの研究が必要であるが、今後これら2つの遺伝子異常をターゲットとした治療や、中枢神経進展リスクモデルを用いた層別化治療がPVRLの予後改善につながる可能性がある。
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