研究課題/領域番号 |
22K20787
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大池 直樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20961676)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脂肪肉腫 / 滑膜肉腫 / 軟部肉腫 / NK細胞 / HLA classI / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
軟部肉腫の治療成績は化学療法(抗がん剤)の導入により向上したが、その後長期にわたり横ばいとなっている。新規治療法の開発が望まれており、NK細胞を用いた免疫療法はその候補となり得る。 そこで、本研究の目的は軟部肉腫において体外で増やしたNK細胞の治療効果を明らかにすることとする。NK細胞は活性化と抑制の信号のバランスによって活動性が決まると言われている。そのため、まずは肉腫細胞株や患者腫瘍組織におけるNK細胞の活性化、抑制に関連する分子の発現解析を行なう。さらに、肉腫細胞株を用いて体外で増幅したNK細胞による治療効果を解析する。
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研究実績の概要 |
軟部肉腫の治療成績は化学療法の導入により向上したが、その後数十年にわたり横ばいとなっている。新規治療法の開発が望まれており、免疫治療はその候補となる。我々はこれまで軟部肉腫の腫瘍免疫環境を研究し、粘液型脂肪肉腫の約90%、滑膜肉腫の約30%においてHLA class Iの発現が減弱もしくは消失していることを報告した。細胞表面のHLA class Iの発現低下はNK細胞の活性化と関連しており、HLA class Iの発現が低下している肉腫ではNK細胞療法による治療効果が期待される。しかしながら、軟部肉腫におけるNK細胞療法の治療効果については明らかではない。本研究では軟部肉腫においてNK細胞の効果を示す組織型を明らかにすることを目的としている。 まず初めに、NK細胞を活性化(抑制)する分子の発現を幅広く解析することでNK細胞の治療効果を示しうる組織型を明らかにすることとした。当初の予定通り脂肪肉腫や滑膜肉腫の細胞株を用いてNK細胞を活性化する分子(MICA/B, ULBP1-6)と抑制する分子 (HLA-A, B, C, HLA-E) の発現の発現についてフローサイトメトリーを用いて解析を行ない、粘液型脂肪肉腫、滑膜肉腫においてMIC-A/Bの高発現を確認した。また、肉腫の一種であるEwing肉腫におけるNK細胞の治療効果とGSK3Bの阻害がNK細胞の治療効果を促進することを見出し、国際学会での口演発表を行なった(CTOS 2022, Vancouver, Canada)。今後、軟部肉腫細胞株を用いin vitro, in vivo でのNK細胞の実際の治療効果について解析を進める方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
粘液型脂肪肉腫という脂肪肉腫の亜型では特にHLA class I 分子の発現が低下している。軟部肉腫の中でもNK細胞治療のターゲットとして有望視していいたが、粘液型脂肪肉腫の細胞株が希少であるため、入手に時間を要した。しかし、2023年4月に粘液型脂肪肉腫の細胞株を2株入手し、計3株保有することとなった。これらの細胞株を用いてin vitro, in vivo でのNK細胞療法の効果を検討していく予定となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はNK細胞の治療効果をin vitro, in vivo確認していく。2023年4月に粘液型脂肪肉腫を入手した。今後、最もNK細胞療法の効果を見込んでいる脂肪肉腫、滑膜肉腫から治療効果に関する検討を進めていく。さらにEwing肉腫で行ったように薬剤によるNK細胞の治療効果を増強するような薬剤を探索する予定としている。
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