研究課題/領域番号 |
22K20792
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
冨田 祐介 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90963033)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | びまん性正中神経膠腫 / 変異ヒストン蛋白 / 脳オルガノイド / 腫瘍溶解ヘルペスウイルス / Diffuse midline glioma / ヒストン変異 |
研究開始時の研究の概要 |
びまん性正中神経膠腫は小児能幹部に発生する予後不良な疾患であり新規治療法の開発が急務である。臨床応用に繋がる質の高い動物実験を行うため、びまん性正中神経膠腫の特徴を反映したモデル作成が重要である。腫瘍溶解ヘルペスウイルス療法は、腫瘍溶解による直接的な効果に加え、抗腫瘍免疫を誘導する治療法として期待されている。本研究においてはびまん性正中神経膠腫細胞を用いた試験管内実験とマウスモデルを用いた実験を行い、腫瘍溶解ヘルペスウイルス療法のびまん性正中神経膠腫への有効性を示し臨床試験へつなげる。
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研究成果の概要 |
H3.3K27M変異を持つマウスDiffuse midline glioma (DMG)細胞株を試験管内で安定して培養することができた。DMG細胞株におけるH3.3K27M変異の存在はサンガーシークエンスで確認できた。マウスES細胞から脳幹と同様の特徴を持つ脳オルガノイドへと分化誘導することができた。 DMG細胞株を脳オルガノイドと共培養すると、DMG細胞株が脳オルガノイド全体に接着して増殖能は亢進し、一部のDMG細胞は内部に浸潤した。DMG細胞の単独培養条件下においては腫瘍溶解ヘルペスウイルスの投与を行うことで有意な細胞障害性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DMGは放射線療法が一時的な効果を示すのみで現時点で有効な治療法がない難治性の腫瘍である。DMGの治療が難しい理由として摘出が難しいこと、血液脳関門があり薬剤が腫瘍に到達できないことが挙げられる。腫瘍溶解ヘルペスウイルスは腫瘍内投与することで腫瘍細胞でのみ増幅して細胞障害性を示すことができる特徴がある。今回の実験で試験管内におけるDMGへの有効性は確認ができた。今後、さらに共培養条件下において腫瘍溶解ウイルスの有効性を確認し、さらに有効性を向上させる併用治療の開発ができれば臨床応用に向けて大きく先進すると期待される。
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