研究課題
研究活動スタート支援
びまん性正中神経膠腫は小児能幹部に発生する予後不良な疾患であり新規治療法の開発が急務である。臨床応用に繋がる質の高い動物実験を行うため、びまん性正中神経膠腫の特徴を反映したモデル作成が重要である。腫瘍溶解ヘルペスウイルス療法は、腫瘍溶解による直接的な効果に加え、抗腫瘍免疫を誘導する治療法として期待されている。本研究においてはびまん性正中神経膠腫細胞を用いた試験管内実験とマウスモデルを用いた実験を行い、腫瘍溶解ヘルペスウイルス療法のびまん性正中神経膠腫への有効性を示し臨床試験へつなげる。
H3.3K27M変異を持つマウスDiffuse midline glioma (DMG)細胞株を試験管内で安定して培養することができた。一部のDMG細胞株では接着細胞へと容易に分化するものもあったが無血清培地を用いることで三次元培養を維持できた。DMG細胞におけるH3.3K27M変異の存在はH3.3K27Mにタグ付けした蛍光蛋白(Green Fluorescent Protein, GFP)の存在をフローサイトメトリーもしくは顕微鏡下に観察することで確認でき、さらに細胞から抽出したDNAを用いたサンガーシークエンスでも確認できた。DMG細胞の単独培養条件下においては腫瘍溶解ヘルペスウイルス(Rapid Antiangiogenesis Mediated By Oncolytic Virus, RAMBO)の投与を行うことで有意な細胞障害性を示すことができた。マウスES細胞から一定の順序で培 養条件を変えていくことで同様の特徴を持つ脳オルガノイドへと分化誘導することができた。 DMG細胞株を脳オルガノイドと共培養すると、DMG細胞株が脳オルガノイド全体に接着して増殖能は亢進した。共培養を行うことで一部のDMG細胞がオルガノイド 内に浸潤することを確認した。DMG細胞株を免疫保持マウス(C57BL/6, 生後4-5週)の脳幹部に定位的に投与することでオルガノイドとの共培養時と同様の浸潤性をもつ腫瘍を形成することが確認できた。
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