研究課題/領域番号 |
22K20794
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤井 康智 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (80964478)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 循環腫瘍DNA / 肝細胞癌 / リキッドバイオプシー / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム医療が注目されている中、肝細胞癌(HCC)において、組織採取の制限や腫瘍不均一性といった問題を克服するため循環腫瘍DNA(ctDNA)の利用が期待されている。本研究では、費用対効果のバランスを鑑み、HCCで検出頻度の高い3遺伝子の遺伝子パネルを設計した。このパネルを用いて分子バーコードシーケンスを行い、腫瘍マーカーや遺伝子変異解析ツールとしてのctDNAの有用性の確立を目的とする。本研究は、HCCにおける任意の遺伝子で設計するパネルを用いたctDNA検出方法の基盤となり、有用性が明らかになれば、ctDNAの新規腫瘍マーカーとして臨床応用に繋げることができると期待される。
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研究実績の概要 |
2022年度に手術検体の組織DNAと血液からのctDNAを、カスタムパネルにて変異の検出を行い、解析を行なった。2014年3月から2021年5月の期間で、手術症例、術前腫瘍径3cm以上、AFP and PIVKA II negativeであった30症例の、凍結組織サンプル、cfDNAサンプル、PBMC DNAサンプル(合計90サンプル)をバーコードシークエンスにかけ、次世代シーケンサーに提出した。しかし、血液からのctDNAの検出感度自体が低かった。その影響で、組織DNAで検出され、ctDNAでも一致した変異が検出された症例は、 全体では15.6%にとどまっていた。症例数は少ないが、ステージが上がるにつれ、腫瘍個数が増えるにつれ、腫瘍最大径が大きくなるにつれ、ctDNA検出率は高くなることがわかった(ステージ2や3:33%、ステージ4:100%)。そのため、全身薬物療法の適応となる患者を対象にして検討を行う方針とした。2023年2月に、デュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法が、切除不能な肝細胞がんのに対し国内承認された。デュルバルマブはPD-L1抗体でトレメリムマブはCTLA-4抗体の免疫療法であり、臨床的な問題は症例ことに効果のばらつきが大きいことである。当院でも同レジメンを導入するにあたり、末梢単核細胞のプロファイルの解析とctDNAのバイオマーカーとしての検討を同レジメンを導入した患者を対象に検討していくこととした。現在、導入患者の血漿を用いて、cfDNAを抽出しており、今後の研究に繋げていく予定である。
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