研究課題/領域番号 |
22K20796
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
坂元 亮子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (00965634)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血管肉腫 / TGF-beta / TGFーβシグナル / 内皮間葉移行 |
研究開始時の研究の概要 |
血管肉腫は、年間発生率が100 万人あたり1.4人と非常に希少で、高齢者の頭部に好発し、5 年生存率は約20%と極めて予後不良な悪性腫瘍である。血管肉腫の進展機序の更なる解明とその機序に作用する分子標的薬を用いた新規薬剤の開発、導入が急務である。本研究の目的は、血管肉腫に対する病態をTGF-βシグナル伝達経路の視点から解明し、発癌・癌浸潤・癌転移における作用機構の解明およびそこから導かれる新規治療法の可能性を探索することにある。
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研究成果の概要 |
血管肉腫におけるTGF-βシグナル伝達経路に関連する各種分子の発現レベルを解析した結果、血管肉腫細胞株において核内に蓄積して遺伝子転写反応を調節するSmad1/5とSmad2/3のリン酸化に有意な差はなかったが、TGF-βタイプII受容体とALK1およびALK5の両方のレベルは、正常血管内皮細胞と比較して血管肉腫細胞株で有意に増加していた。また、血管肉腫細胞株においてTGF-βのレベル低下が認められたにも関わらず、その刺激によるシグナル伝達経路の過剰反応が示唆されることが分かった。TGF-βシグナル伝達経路の解明が新規治療につながる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管肉腫は、標準治療が確立されておらず、難治性の肉腫である。進行例では、化学療法が主体となるが、未だ有効な治療法が確立されていない。そのために、血管肉腫に対する新規治療の開発は急務である。本研究は今回、血管肉腫におけるTGF-βシグナル伝達の解明することで、新たな治療方法の開発や奏功率の改善など治療応用についての可能性があるという側面もあり、学術的・社会的な意義を有している。
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