研究課題/領域番号 |
22K20803
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 (2023) 東京医科大学 (2022) |
研究代表者 |
山元 智史 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 任期付研究員 (40963369)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / エクソソーム / 多発性骨髄腫 / 薬剤耐性 / レナリドミド |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫は形質細胞ががん化した造血器腫瘍であり、レナリドミドなどのキードラッグの登場により予後が大きく改善した。しかしながら、薬剤の長期ばく露による薬剤耐性や髄外への多発性骨髄腫細胞の漏出が始まると一転して予後不良となる。本研究では細胞外小胞を介した薬剤耐性能を規定する遺伝子SORT1、LAMP2の発現制御機構の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、以前報告した多発性骨髄腫治療薬であるレナリドミド耐性にEV分泌を介して関わることが明らかになっているLAMP2、SORT1遺伝子が感受性株よりどのように発現上昇し、耐性化に寄与するのか、その分子メカニズムの同定を試みた。その結果、LAMP2がSORT1の発現を制御していること、そのLAMP2はレナリドミドの標的タンパク質であるセレブロンの発現と関係があることを示した。また、耐性株において内包されているmicroRNAをsmall-RNAseqにより、検討した。これまでに薬剤耐性に関して報告のあるいくつかのmicroRNAが有意に内包されることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性骨髄腫は近年、抗体医薬品を含む様々な治療薬が承認され、患者の予後は大きく改善した。しかしながら、薬剤への感受性がなくなり、いずれは再発を来たす、治癒困難な造血器腫瘍である。特に薬剤耐性による使用できる治療薬の減少は患者のQOLに大きく影響することから薬剤耐性機構を理解することは意義があるといえる。骨髄腫は様々なクローンが存在するヘテロな集団であり、さまざまな抵抗性獲得機構が存在すると考えられている。以前EVの分泌を抑制することで耐性獲得済み細胞から感受性株への抵抗性の伝播が抑制できることを報告した。本検討ではなぜ耐性株が生まれるのかに着目しており、骨髄腫治療戦略において重要である。
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