研究課題/領域番号 |
22K20804
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
谷合 智彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60961860)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 癌微小環境 / 複合免疫療法 / 癌免疫微小環境 / MYC / VETC |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、統合ゲノム解析の結果をもとに、Trp53ノックアウト、MYC強制発現により高悪性度肝癌のモデル細胞株を樹立し、同BL/6マウスに移植することで形成される腫瘍の癌免疫微小環境の解明およびその形成過程の詳細を明らかにする。さらに、トランスクリプトーム解析により増腫瘍性に直接的に寄与する遺伝子を同定し、同遺伝子をノックアウトした細胞株を用いて腫瘍を作成することで、標的遺伝子が癌免疫微小環境に及ぼす影響について明らかにする。最後に、上記細胞株由来の腫瘍に対して複合免疫療法をおこない、摘出腫瘍を解析することで、複合免疫療法が癌免疫微小環境に及ぼす分子生物学的影響について明らかにする。
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研究成果の概要 |
申請者は統合ゲノム解析の結果に基づき、マウス肝細胞癌株にてTrp53ノックアウト、MYC強制発現を行い、高悪性度肝細胞癌株を作製した。 同細胞株は細胞周期異常増腫瘍性の増強を示唆する所見がin vitroの実験で確認され、同細胞株の同種移植マウスモデルにて、高度な増腫瘍性を有する腫瘍が形成された。 同腫瘍を摘出し、各種免疫染色を施行したところ、MYC強制発現肝細胞癌は免疫抑制性の癌免疫微小環境を有し、その原因としてVETCと呼ばれる構造が関係しており、レンバチニブによってVETCを制御することで免疫チェックポイント阻害剤の奏功に寄与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はMYC過剰発現を特徴とした予後不良な肝細胞癌の癌免疫微小環境の詳細およびその形成過程について明らかにした。また、同腫瘍が示すvessels encapsulating tumor clusters (VETC) と呼ばれる特徴的な異常腫瘍血管構造の形成をレンバチニブが制御する可能性があり、それに伴い免疫不応答な癌微小環境を免疫応答性へと改善させ、免疫チェックポイント阻害剤の奏功改善に寄与する可能性があることを示した。
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