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がん組織環境中の細胞外小胞を介した相互作用の時空間的解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K20805
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0901:腫瘍学およびその関連分野
研究機関早稲田大学

研究代表者

西田 奈央  早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (80737114)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード細胞外小胞 / エクソソーム / がん微小環境 / 3D組織モデル / 乳がん / がん転移
研究開始時の研究の概要

がん組織はがん細胞・正常細胞・細胞外マトリックスが密に詰まった構造を持ち、その中でがん細胞は細胞外小胞(Extracellular vesicles, EVs)を受け渡し周囲の正常細胞をがん促進性に改変している。本研究はがん組織という構造の中で、がん細胞から正常細胞への細胞外小胞の受け渡しを定量的・時空間的に理解することを目標とする。ある細胞から分泌されたEVが到達する範囲と目的の細胞を特定するとともに、受け渡しに影響するEV表面の構造を特定する。さらに、細胞外小胞を介した相互作用が、がん組織という環境を形成・維持するための役割を解明する。

研究実績の概要

本研究はがん組織という構造の中で、がん細胞から正常細胞への細胞外小胞の受け渡しを定量的・時空間的に理解することを目標としている。本年度は、前半は産休・育休を取得させていただいた。後半では、前年度に最適化した高感度な細胞外小胞ラベルを他の複数の高転移ながん細胞株にも導入して安定発現株を作製するとともに、脳組織スライスの体外培養維持方法の最適化を行い、乳がん細胞を脳組織上に播種することで、実験室での乳がん脳転移モデルを作製した。さらに、この乳がん脳転移モデル上で、がん細胞が細胞外小胞を周囲の環境に分泌する様子を、生きたまま経時的に観察することに成功した。この観察の実現のためには、培養条件や細胞外小胞のラベル方法のさらなる最適化などが必要であった。また、がん組織内で、がん由来の細胞外小胞を取り込んだ細胞の種類を特定するため、フローサイトメトリー実験を進めており、実験条件を最適化し、現在実施・解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

がん由来細胞外小胞を高感度にラベルし、検出するための条件検討を実施し、さらに組織スライスを活用した脳転移モデル上でのライブでの細胞外小胞の観察に成功したため。さらに、取り込み先の細胞種類の特定の実験を進められているため。

今後の研究の推進方策

がん由来の細胞外小胞を取り込んだ細胞を特定するため、フローサイトメトリーでの解析を進め、組織スライス上でも染色、特定する。さらに、現在2光子顕微鏡で実施している経時観察についても、さらに肺転移モデルなど他のスライスでも観察を行うとともに、実際に組織スライス上での細胞外小胞の挙動を、軌道解析で解析したり、到達先の細胞の分布や距離などの解析を進める。悪性度が異なる乳がんや他のがん細胞でも同様な観察を行い、細胞外小胞の受け渡しの違いによるによるがんの悪性化を理解する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Max Planck Institute(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Impacts of tissue context on extracellular vesicles‐mediated cancer?host cell communications2024

    • 著者名/発表者名
      Nishida‐Aoki Nao、Ochiya Takahiro
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 115 号: 6 ページ: 1726-1737

    • DOI

      10.1111/cas.16161

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Understanding extracellular vesicle transfer within tumor tissue context2023

    • 著者名/発表者名
      西田 奈央
    • 学会等名
      2023日米先端工学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 細胞外小胞の治療応用のためのストラテジー および現状と課題2023

    • 著者名/発表者名
      西田 奈央
    • 学会等名
      第日本遺伝子診療学会大会・第8回クリニカルバイオバンク学会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 組織スライスモデルを用いたがん微小環境内におけるがん細胞外小胞の受け渡しの理解2023

    • 著者名/発表者名
      西田 奈央
    • 学会等名
      BioMedical Forum 2024 大阪公立大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞外小胞が作り出すがん微小環境の時空間的な理解に向けて2022

    • 著者名/発表者名
      西田 奈央
    • 学会等名
      32nd Forum in DOJIN第32回フォーラム・イン・ドージン 生命現象に関わる細胞外小胞体の多彩な役割 -ヴェールを脱ぐエクソソームー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] がん組織スライス培養を用いた細胞外マトリクス阻害剤のスクリーニング2022

    • 著者名/発表者名
      西田 奈央
    • 学会等名
      第8回 MatriCell フォーラム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Evaluating stromal contribution to therapeutic responses using organotypic tissue slice culture2022

    • 著者名/発表者名
      西田 奈央
    • 学会等名
      第81回 日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 組織環境のがん細胞の性質および細胞外小胞の受け渡しへの影響2022

    • 著者名/発表者名
      西田 奈央
    • 学会等名
      第9回日本細胞外小胞学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 私たちの身体を構成する細胞の織り成す社会 Cell society consisting our body2022

    • 著者名/発表者名
      西田 奈央
    • 学会等名
      早稲田大学高等研究所15周年記念シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 細胞から細胞への情報伝達を担う物質「細胞外小胞」の挙動を探る

    • URL

      https://www.waseda.jp/inst/wias/news/2023/06/09/13606/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-09-01   更新日: 2024-12-25  

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