研究課題/領域番号 |
22K20806
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
辻野 拓也 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60937407)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 前立腺がん / PARP阻害 / CRISPRスクリーニング / PARP阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
BRCA1/2変異を有する前立腺がん患者の多くにPARP阻害剤への良好な治療効果が認められる。しかし、BRCA1/2以外のDNA損傷応答関連遺伝子変異からは、PARP阻害剤に対する治療効果を予測できないのが現状である。本研究課題では、前立腺がん細胞株におけるPARP阻害剤Olaparibを併用した約19,000遺伝子を対象としたCRISPRスクリーニングを行い、その機能喪失がPARP阻害剤への感受性および薬剤抵抗性に大きな影響を与える新規遺伝子を同定することを目的としている。
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研究成果の概要 |
転移性去勢抵抗性前立腺がんの予後は依然として不良であり、新たな治療法開発が喫緊の課題である。本研究においては、CRISPRスクリーニング解析により、前立腺がんPARP阻害剤治療に関する67 個の感受性関連遺伝子、103 個の抵抗性関連遺伝子を同定した。感受性関連遺伝子のうちMMS22L遺伝子を代表とする10遺伝子以上を遺伝子バイオマーカーとして解明した。さらに抵抗性遺伝子としてRB1遺伝子、CHEK2遺伝子を代表とする7遺伝子をPARP阻害剤耐性における遺伝子バイオマーカーとして解明した。本成果は前立腺がんにおけるPARP阻害剤の包括的な遺伝子バイオマーカーに関する初報告である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでPARP阻害剤の有効性はBRCA1/2遺伝子変異のみに限定されており、現在その拡充、および耐性克服が課題となっている。本研究における成果により、PARP阻害剤の有用性拡大の可能性が示されたと同時に、耐性克服を可能とする新規治療法開発に繋がると考えられる。本成果は、前立腺がんPARP阻害剤治療包括的遺伝子バイオマーカーを同定した初報告であり、その研究発展性は非常に高く、転移性去勢抵抗性前立腺がんの予後改善に繋がる成果であると考えられる。
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