研究課題/領域番号 |
22K20817
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
辻 敏克 金沢大学, 附属病院, 助教 (00833104)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | FOXO3 / 胃がん / 悪性進展化機構 / 悪性化機構 / PI3K/AKT経路 |
研究開始時の研究の概要 |
胃がんは、本邦の罹患率は第3位であり、転移再発を伴う5年生存率は約8%と低い。胃がん発生の分子機構を解明することが新規薬剤の開発には重要である。がん抑制遺伝子としての作用を有するとされるFOXO3は癌種により腫瘍の増殖や浸潤・転移といった悪性化機構に抑制的あるいは促進的に作用する報告があり、未だ議論がある。そこで本研究は、胃癌におけるFOXO3の悪性化進展過程における役割を評価し、新規治療薬の開発につなげることを目的としている。
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研究実績の概要 |
申請者らが構築した活性化型FOXO3を核誘導できるマウスモデル(FOXO3-Actマウス)および悪性化進展した胃がんマウスモデルを用いて胃がんの悪性化機構におけるFOXO3の役割を明らかにすることを目的としている。 ① 浸潤性胃がんモデルにおける活性化FOXO3の機能解析:腺管型胃がんが自然発生するマウスモデルであるGanマウスにKras G12D変異、Tgfbr2欠損変異、p53 R270H変異を導入した悪性化進展胃がんモデル(Gan-KTPマウス)は、がんの浸潤・転移を再現したモデルである。Foxo3-ActマウスとGan-KTPマウスの交配により得た複合変異マウスを用いて、EMTやリンパ節転移、遠隔転移などの過程におけるFOXO3の役割に関して病理解析を行う予定であったが、目的の複合変異マウスの取得が困難な状況である。② オルガノイド同所移植による活性化FOXO3の機能解析:①で作製する複合マウスはKras変異による組織異常が肺でも認められるため、長期生存での転移能を観察することが困難な場合がある。現在、複合変異マウスが作製できていないため、未施行である。③ ヒト胃がんオルガノイドのPDXマウスへの移植によるFOXO3の機能解析:ヒト胃がん転移巣からオルガノイドを樹立し、マウスへの移植を 行い、転移形成の有無、FOXO3の局在、PI3K/AKT阻害薬によるFOXO3核蓄積等を検証する。ヒト胃がん組織よりオルガノイドを作成しているが、転移巣からのオルガノイドの作製に難渋している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ヒト胃がん組織において、原発巣および転移リンパ節・播種組織からオルガノイドを作製しているが、転移リンパ節・播種組織のオルガノイド樹立の成功率が低いことで進捗が遅れて いる。 マウスの交配実験も並行して行っているが、目的の遺伝子変異を有したマウスの獲得ができていないことが計画を遅れせている原因である。
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今後の研究の推進方策 |
現在KTPマウスのオルガノイドに活性型FOXO3をtransfectionし、Foxo3-Act Gan-KTPマウスの胃粘膜上皮からオルガノイドを作製した状況と同じ細胞を取得することに成功した。この細胞を用いて同種移植の実験を行うことで、研究推進となりうる。
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