研究課題/領域番号 |
22K20822
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 理絵 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30966536)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | オルガノイド / 放射線療法耐性 / 化学療法耐性 / 初代培養 / 大腸癌 / 癌幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌細胞株および大腸癌より樹立した初代培養細胞「オルガイド」を用いて、放射線および化学療法の耐性メカニズム解明と癌幹細胞との関連の検討を行う。 初代培養細胞はより生体内のがんに近く、がんの増殖や転移に関わる新しいメカニズムの解明や新規治療薬の開発につながるとされている。我々のグループでは、臨床検体から癌細胞の多様性を保持したまま in vitroで安定的に2D/3Dで培養するオルガノイドを構築し、研究を行ってきた。耐性と癌幹細胞との関連について、オルガノイドの多様性を用いて解明していく。
|
研究成果の概要 |
本研究では、大腸癌細胞株およびオルガイドを用いて、放射線および化学療法の耐性メカニズム解明と癌幹細胞との関連の検討を行うことを目的として研究を開始した。 大腸癌細胞株で放射線照射を行ったところ、CD44highの集団が残ることが判明した。一方、大腸癌オルガノイドに放射線照射を行ったところ、照射量が増すにつれてCD44highに加えてCD44lowの集団も新たに出現することが同定された。さらに、幹細胞マーカーの変化に関して、CD44は化学療法投与後に低値を示した。また、POU5F1は幹細胞性に関連して化学療法抵抗性に関与していることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
術後再発や局所進行等の難治性大腸癌に対して放射線化学療法を行うが、効果に乏しい症例も多い。これらは、耐性獲得が臨床的に大きな問題であり、腫瘍細胞の可逆性および不均一性が影響していると考えられている。 癌細胞株は増殖能を獲得した比較的均一な細胞であることから、実験結果と実臨床の結果が一致しないという問題がある。一方オルガノイドは臨床検体から直接樹立された初代培養細胞であり、癌の増殖や転移に関わる新しいメカニズムの解明につながるマテリアルとして期待されている。 本研究ではオルガノイドを用いて放射線耐性や化学療法耐性のメカニズム解明を目指した研究であり、癌根治に繋がる意義ある研究と考えている。
|