研究課題/領域番号 |
22K20827
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高橋 孝輔 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60957439)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | CD-DST / オルガノイド培養 / 膵癌 / ex vivo培養 / 薬剤感受性試験 / EUS-FNB |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は 5 年生存率 9.8%(がん統計 2021)と予後不良で、状況に応じて効果的に薬剤が選択されていないことが原因の一つである。現在、迅速に診断可能な薬剤感受性試験があるが、細胞培養の感度・特異度の低さが問題点である。これに細胞培養の感度が高いヒト由来オルガノイドを併用した新たな培養システムの確立を目指す。本システムの開発によって、膵癌に対する適切な治療の進展が期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究では超音波内視鏡下針生検(EUS-TA)を施行する膵癌患者のEUS-TA検体や手術標本の残余検体を用いて、従来のCollagen gel droplet embedded culture drug sensitivity test(CD-DST)とオルガノイド培養技術を組み合わせたex vivo培養が実現可能かどうか検証することを目的とする。本研究により実現可能性を検証することで、化学療法を検討している切除不能膵癌に対して薬剤選択のための新規薬剤感受性試験の前段階としてのex vivo培養の確立に寄与できると考えている。 実質的な方法としては、具体的には以下を検討している。 [1]新規DSTの実現可能性の確認 1)膵癌検体を用いた従来のCD-DST(control)の解析、2)膵癌検体を用いた従来のCD-DST とオルガノイド培養技術を組み合わせたex vivo培養の作成:CD-DSTを基本とし、PDO作成技術を応用したHuman complete feeding mediumで培養して薬剤感受性検査(DST)を施行する。、3)新規DST群とcontrol群の解析結果を比較検討、4)従来培養とCAF共培養を用いた比較解析:EUS-TA検体から分離されたCAFを培養し、従来培養にCAFを共培養させたモデルを作成し、従来培養の結果と比較する。 [2]新規DSTにおけるex vivo培養の薬剤感受性評価:従来の化学療法(modified FOLFIRINOX療法、Gem+nab-PTX療法)に加えて、現在臨床試験や開発段階のMEK阻害剤(メキニスト錠、メクトビ錠)、BRAF阻害剤(ビラフトビ錠)、RAS阻害剤(ルマケラス錠)も検討する。 現在、CD-DSTおよびオルガノイド培養について学習し、実験道具を揃え、実装段階に入っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
CD-DST及びオルガノイド培養について実際の実験方法を学習している。また、今後の実験計画に関して各方面の先生方と協議段階であり、研究計画からは遅れているのが現状である。実験・考察を重ねた上で、実際に患者様からEUS-TAにより得られた検体を用いて細胞培養を行なっていく予定である。今後、この遅れを改善すべく、研究に邁進していきたいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
実際にCD-DST及びオルガノイド培養を成功させる必要がある。安定した結果が得られるための細胞培養方法を確立し、考案している新規ex vivo培養の構築につなげていきたい。対応策としては、早急に今後各方面の先生方とディスカッションを重ねていく。EUS-TAの症例数も決して多くはないため、継続的に同意を取得し症例数を増やしていく必要がある。
|