研究課題/領域番号 |
22K20832
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
末松 正也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80962985)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | CAR-T細胞療法 / JAK阻害薬 / Ph-like ALL |
研究開始時の研究の概要 |
難治性B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)の一群であるPh-like ALLに対し、CD19特異的遺伝子改変キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法の治療効果を向上させるために、JAK/STAT関連遺伝子異常を有するPh-like ALLに対して、CD19 CAR-T細胞療法とJAK阻害薬との併用効果を明らかにし、臨床応用への橋渡しを行う。また、JAK阻害薬を併用することで腫瘍細胞のPD-L1誘導を抑え、CAR-T細胞の免疫疲弊を防ぐ可能性も期待される。併用療法におけるこれらの分子機構の解明も本研究の目的とする。
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研究実績の概要 |
JAK/STAT関連遺伝子異常を有するPh-like ALLに対して、JAK阻害薬とCD19 CAR-T細胞療法の併用効果を明らかにすることが本研究の目標である。 CD19 CAR-T細胞とPh-like ALL細胞株(①KOPN49:IGH-CRLF2,JAK2 R683G変異陽性、②YCUB-5:P2RY8-CRLF2,JAK2 R683I変異陽性)、③JAK変異を有さないB-ALL細胞株であるREHとの連続共培養試験を実施した。共培養試験において、JAK1/2阻害薬を添加するとCAR-T細胞の抗腫瘍効果が減弱すること、その一方でJAK2選択的阻害薬の添加ではCAR-T細胞の抗腫瘍効果が向上することを見出した。また、このJAK2選択的阻害薬によるCAR-T細胞の抗腫瘍効果の増強は、JAK変異を伴うKOPN49、YCUB-5のみならず、JAK変異のないREHにおいても認められた。これは、腫瘍細胞のJAK変異の有無に関わらず、JAK2選択的阻害薬の併用がCAR-T細胞の抗腫瘍効果を増強する可能性を示唆する結果であり、新知見が得られた。 JAK2選択的阻害薬の併用により、CAR-T細胞の抗腫瘍効果が増強する機序を解明するためトランスクリプトーム解析を行い、JAK2選択的阻害薬の併用でCAR-T細胞はよりメモリー機能を維持しながら殺傷能力を維持できている可能性を示唆する結果が得られた。 また、in vivoにおける併用効果を評価するため、免疫不全マウスにおける比較実験を行い、REHの担癌マウスにおいて、JAK2選択的阻害薬の併用でCD19 CAR-T細胞の治療効果が増強される結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の研究実績の概要で詳細に述べた通り、予定していた実験は全て終了している。 概ね順調に研究計画を遂行できていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、本研究の研究実績の内容をまとめ、論文作成を行っている。 今後は、論文の投稿を行い、また国内と海外の学会において学会発表も予定している。
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