研究課題/領域番号 |
22K20834
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
冨永 信太 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (10868722)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん免疫療法 / 樹状細胞ワクチン / iPS細胞 / ユビキチンプロテアソーム系 |
研究開始時の研究の概要 |
癌免疫療法の治療戦略として,腫瘍関連抗原 (TAA) 遺伝子導入iPS細胞由来樹状細胞 (iPSDC) ワクチン療法の研究を行ってきたが,臨床応用に向けては抗腫瘍効果をさらに増強させる必要がある.iPSDCワクチンの抗腫瘍効果を飛躍的に増強させる工夫として,DC内での抗原プロセッシングにおいて中心的な働きであるユビキチンプロテアソーム系に着目した.iPSDCにTAAとユビキチンの融合遺伝子を導入することで,iPSDC内でのTAAタンパク分解が亢進し,抗原提示能が向上することにより,効率的に大量のTAA特異的細胞傷害性Tリンパ球 (CTL) を誘導することができ,強力な抗腫瘍効果が得られる.
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研究実績の概要 |
より免疫原性の高いTAAとしてMesothelin (MSLN)をターゲットとした.また,iPSDCsの抗原提示能を増強する工夫として,ユビキチンプロテアソーム系による抗原プロセッシングに着目した. その結果,(1) 3名の健常人ドナーからMSLN遺伝子導入iPSDCs (iPSDCs-MSLN)を作成し,いずれのドナーにおいてもiPSDCs-MSLNにより誘導したCTLsは,MSLN発現ターゲット細胞に対する細胞傷害活性を示したことを証明した.また,ユビキチンとMSLNの融合遺伝子をiPSDCsに導入する効果として,(2)-1 iPSDCs内のMSLNタンパク発現を免疫染色とFACSで評価することで,Ub-MSLN融合遺伝子導入iPSDCs (iPSDCs-UbMSLN)ではiPSDCs-MSLNと比較してiPSDCs内でのMSLNの蛋白分解が亢進しており,その蛋白分解はプロテアソームに依存することが示された.また,(2)-2 Pentamer assayにより,iPSDCs内のMSLN蛋白分解の亢進は,iPSDCs-UbMSLNにおけるMSLN由来エピトープペプチドの抗原提示能を高め,iPSDCs-MSLNと比べてMSLN特異的CTLsをより多く誘導することを示した.さらに,(2)-3 iPSDCs-UbMSLNはiPSDCs-MSLNと比べて細胞傷害活性も高める可能性が51Cr-release assayにより示唆された.これらの結果から,ユビキチンとMSLNを同時に発現する遺伝子改変iPSDCsワクチンは,より多くのMSLN特異的CTLsを誘導し,より強力な細胞傷害活性をもたらすことを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のようにおおむね計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、in vitroの研究も準備し、遂行していく
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