研究課題/領域番号 |
22K20837
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
目澤 義弘 順天堂大学, 医学部, 助教 (50966538)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 癌微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / 乳癌 / 転写因子 / エピゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
癌微小環境に存在する癌関連線維芽細胞(carcinoma-associated fibroblasts: CAFs)は、腫瘍の線維化や炎症を促進して癌の悪性化に寄与する。代表的なCAFsの亜集団として、線維化を促進する筋線維芽細胞性CAFsと、炎症促進性CAFsが知られている。しかしながら、正常組織に常在する線維芽細胞がそれらに分化転換する分子メカニズムの詳細は不明である。本研究では、CAFsで高発現している転写因子群を同定し、その機能解析を通して癌促進的CAFs亜集団の出現メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
癌微小環境に存在する癌関連線維芽細胞(CAF)は、腫瘍の線維化や炎症を促進して癌の悪性化や抗腫瘍免疫を調節する。本研究では乳癌における癌促進的な亜集団の性質を司る転写因子を同定することを目的とし、CAF細胞株のトランスクリプトーム解析、エピゲノム解析、および公共データベース解析を統合的に活用した。様々な転写因子のCAF亜集団における発現上昇や活性化状態を解析することに成功し、CAFの機能制御に基づいた新規治療法開発のための基礎的な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CAFは癌細胞の増殖、浸潤・転移、治療抵抗性、血管新生、腫瘍免疫抑制などを通じて癌促進的な機能が多く知られている。一方、癌抑制的な機能も報告されており、CAFの亜集団の特性の理解がCAFの機能制御に基づいた治療の実現には必須と考えられるが、創薬応用には十分な知見が集積していない。本研究では、細胞の性質を規定する最も重要な要素である転写因子に着目し、乳癌CAFの不均一性をmRNAレベルで解析し、亜集団形成に関与することが示唆される転写因子を複数見出した。これらの知見はCAF亜集団を制御し、治療効果を増加させる手法の開発に向けて重要な意義を持つ。
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