研究課題/領域番号 |
22K20849
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梅本 祥央 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (30967469)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ドーパミン / 線条体 / D2細胞 / メタンフェタミン / 統合失調症 / D2受容体 / 大脳基底核 / 感作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、思春期以後に好発する精神疾患である統合失調症について、大脳基底核におけるドーパミンD2受容体の持続的な機能異常が発症要因となるという新規モデルに基づき、D2受容体細胞の活動観察や、阻害薬投与による行動変化分析によって、統合失調症の発生・維持の機序を検討するものである。 まず、AAVによってマウス線条体のD1およびD2受容体にGCaMPを特異的に発現させた上で、D2受容体異常をもたらす覚醒剤を投与し、複雑な認知課題3CSRTTを実施する際の動態についてミニスコープによる観察を行う。結果回路活動異常がみられた場合には抗精神病薬であるD2阻害薬を投与し、活動異常が緩和するか検討する、
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研究成果の概要 |
本研究は、線条体D2細胞の機能障害によって統合失調症様の行動が現れるという新規統合失調症発症モデルを確立し、線条体のドーパミン計測によって病態における神経活動を明らかにすることを目的とした。初年度に、メタンフェタミン感作下でオペラント学習課題3CSRTTを行わせて「異常行動」を引き起こす新規統合失調症発症モデルを確立した。最終年度に、腹側線条体側坐核において課題から報酬文脈を取り除いた環境でドーパミン計測を行い、報酬が受け取れない中で課題に関連した行動にドーパミン上昇がみられることが示唆された。また、課題下でD2阻害剤を投与することで「異常行動」生起が抑制されることも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、統合失調症の病態に基づき、かつ行動指標の時系列における変化を軸にした新規発症モデルを構築した。これまでの研究では行動の量的な変動に関する議論に留まっていたため、病態との質的な一致を基に発生機序を議論できるという点で新しい。また、発症までの時系列を追跡した手法であるため、段階に分けた介入方法の検証もより容易となっている。このことは、統合失調症やその他精神疾患における新しい治療法の開発に役立つと考えられる。
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