研究課題/領域番号 |
22K20863
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
久保 裕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80963488)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / キメラ抗原受容体 / CAR-T細胞 / BAFF / BLyS / B細胞 / リウマチ性疾患 / 全身性エリテマトーデス(SLE) / BAFF/BLyS |
研究開始時の研究の概要 |
リウマチ性疾患に確立された根治療法は無い。本研究では、自己免疫異常においてB細胞が抗原提示の中心的役割を果たすと考え、B細胞の制御を目的としたBAFFリガンド型キメラ抗原受容体(CAR)発現T細胞療法を開発する。作製には過去に代表研究者が腫瘍領域で修得したCAR-T細胞作製の技術を応用する。このBAFF CAR-T細胞は活性化したB細胞に発現しているBAFFを認識することで、B細胞を除去することが期待できる。 BAFF CAR-T細胞を全身性エリテマトーデスモデルマウスに移入、治療効果を評価する。さらに、将来の臨床応用の基盤となる自己免疫異常に対する新規の細胞療法を考案する。
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研究実績の概要 |
本研究では、SLEの自己免疫異常においてB細胞が中心的な役割を果たすとの考えのもと、SLEにおいてB細胞の制御を目的とした新しい根治療法の開発が目的である。腫瘍モデルで有効性が証明されているBAFF/BLySの受容体(BAFF-R、BCMA、TACI)を標的としたリガンド型のCAR-T細胞を作成、SLEモデルマウスに投与し、症状・検査所見、抗体産生能などに与える影響を評価する。 具体的には、まず、1.BAFF キメラ抗原受容体発現T細胞(BAFF CAR-T細胞)をコンストラクトから作成する。次に、2.作成したBAFF CAR-T細胞を、全身性エリテマトーデス(SLE)のモデルマウスとなるB6 SKGマウスに投与する。最後に3.マウス内でのBAFF CAR-T細胞の動態、治療効果を評価することを目的としている。 本年度は主に、マウスの脾臓から細胞を採取して、ビーズを用いてCD8T細胞をネガティブセレクションにより抽出した。CD8T細胞の増殖が得られにくいため、セレクションの方法や培養方法について検討した。検討後はCD19CAR DNAをレトロネクチンを用いてトランスフェクションさせ、CD19 CAR-T細胞を作成する。また、BAFF CAR-T細胞の作成も同様に行う予定である。そして、その後はSLEのモデルマウスであるB6 SKGマウスへの投与を行い、上記の評価項目について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CD8細胞の刺激・増殖がうまくいかず、その結果、CAR-T細胞の作製・培養に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
CD8T細胞の培養条件を定め、良質なCD19 CAR-T細胞を安定して作成する。また、並行して、BAFF CAR-T細胞のコンストラクト作成を行う。さらに、入手できたB6 SKGマウスで、SLE様症状が認められるか確認する。その後、BAFF CAR-T細胞作製とB6 SKGマウスに投与して、CAR-T細胞の動態やSLE様症状の推移について解析する。BAFF CAR-T細胞の作製に難渋する倍は、CD19 CAR-T細胞をB6 SKGマウスに投与し、B細胞制御によるSLEの治療効果について検証する。
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