研究課題/領域番号 |
22K20871
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
杉山 慶太 久留米大学, 医学部, 助教 (20960909)
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研究期間 (年度) |
2025-03-17 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ドパミン / 線条体 / ジスキネジア / レボドパ / パーキンソン病 |
研究開始時の研究の概要 |
レボドパ誘発性ジスキネジア (LID) において、ドパミンD1受容体シグナルが重要であることは知られているが、効果的な治療法はまだ開発されていない。申請者は、皮質からの投射領域と解剖学的知見からマウス線条体を7つの領域に分割し、尾側中間部のドパミンD1受容体シグナル活性化がLIDの重症度と相関することを明らかにした。本研究では、尾側中間部のドパミンD1受容体シグナルに着目した解析を行い、LIDの発症・重症化における尾側中間部の役割を明らかする。さらに、LIDの病態で尾側中間部に起こる特異的な分子機序を同定し、LIDにおける新規治療法開発の基盤確立を目指す。
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研究実績の概要 |
レポドパ誘発性ジスキネジア(LID)では、線条体のドパミンD1受容体シグナルが密接に関連しているが、D1受容体シグナルの領域特異的な見解は得られていない。我々は解剖学的知見を基に、マウス線条体を7領域に分割し、D1受容体シグナルの反応性が低い吻側中間部背外側部 (領域2-3) と尾側中間部 (領域3) を同定した。さらに、領域3がLIDの重症度(AIMS)スコアと相関することを見出した。本研究では、LIDにおける領域3の役割と分子機序を明らかにし、LIDにおける新規治療法の開発基盤確立を目指す。 本年度は、領域3の役割を明らかにするために、マウス線条体にAAV-shDrd1を片側の領域3や他の領域(吻側部:領域1) に注入し、D1受容体の領域選択的にノックダウンを行った。片側パーキンソン病モデルマウス作製後に、レボドパを投与してAIMSスコアが改善するかを検討した。領域選択的なD1受容体ノックダウンでは、領域3でAIMSスコアが改善し、領域1では改善されなかった。これらの結果より、領域3のD1受容体シグナルがLIDにおいて重要な役割をもつことが示唆された。 LID研究では、領域2-3に着目した研究も報告されており、今後は領域2-3のD1受容体ノックダウンも検討する予定である。また、DREADDシステムを用いて本年度の結果の裏付けとLID時における領域3の分子機序解明に、RNA-Seqを用いた網羅的遺伝子解析を検討している。
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