研究課題/領域番号 |
22K20875
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
多田 篤司 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (10962904)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 冠動脈疾患 / 深層学習 / 眼底検査 / 網膜血管面積 / 冠動脈造影検査 / 動脈硬化 / 眼底画像 |
研究開始時の研究の概要 |
無散瞳眼底カメラによる眼底検査では、非侵襲的に網膜血管を観察することが可能である。網膜血管の動脈硬化所見は、全身の動脈硬化を反映するため、心血管疾患の評価に有用と考えられる。しかしながら、従来の網膜血管の評価法は主観的であり、網膜血管を定量的に評価することは困難であった。申請者らは深層学習を用いて、眼底画像から網膜血管を自動抽出する手法を確立し、客観的かつ定量的な網膜血管面積の自動解析手法を開発した。これまでに冠動脈疾患の有無や重症度の予測において網膜血管面積が有用であるかは不明であった。本研究は、冠動脈疾患が疑われる患者において、網膜血管面積と冠動脈疾患の有無や重症度との相関を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
網膜血管面積が冠動脈疾患の有無や重症度の予測において有用であるかは不明であった。冠動脈疾患が疑われ、冠動脈造影検査を施行するために入院した連続195症例患者を対象として、眼底画像から自動解析手法を用いて計測した網膜血管面積と冠動脈造影検査で得られた評価項目との相関を検討した。具体的な評価項目として、冠動脈有意狭窄の有無ならびに冠動脈狭窄の重症度を反映するSYNTAXスコアを設定した。結果、網膜血管面積は冠動脈狭窄の有無と相関しており、SYNTAXスコアとの良好な相関関係が示された。さらに、多変量ロジスティック解析により、網膜血管面積は冠動脈有意狭窄の有無の独立した予測因子であることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無散瞳眼底カメラによる眼底検査で観察される網膜血管は、全身の動脈硬化を反映するため、心血管疾患の評価に有用と考えられる。しかしながら、従来の網膜血管の評価法は主観的であり、網膜血管を定量的に評価することは困難であった。申請者らは深層学習を用いて、眼底画像から網膜血管を自動抽出する手法を確立した。 本研究は、眼底画像から自動解析手法を用いて計測した網膜血管面積と、冠動脈造影検査により評価した冠動脈狭窄の有無・重症度と良好に相関することを示した。それにより、眼底検査を用いた冠動脈疾患の評価が可能となり、冠動脈疾患の新たな非侵襲的スクリーニングシステムの開発につながることが期待される。
|