研究課題/領域番号 |
22K20883
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
チャングェン クオクブーン 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (30961346)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マスト細胞 / 組織透明化 / 定量化 / 遺伝子改変マウス |
研究開始時の研究の概要 |
マスト細胞は,皮膚,気道粘膜,腸管粘膜など生体が外界と接する組織に多数存在するが、正確な数は定かではない。またマスト細胞はアレルギー疾患の病変部で増加すると考えられている。しかしながら組織全体や全身における増減は不明である。本研究では、蛍光タンパク質によりマスト細胞を可視化できる遺伝子改変マウス、組織透明化技術を用いた3次元蛍光イメージング、アレルギー疾患のマウスモデルの3つの実験技術を組み合わせて、定常状態における生体内のマスト細胞の数と分布、アレルギー疾患やウイルス感染、ストレス、運動、寒冷刺激時の局所や全身におけるマスト細胞数の変化について個体レベルで明らかにする
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、マスト細胞を可視化する最新技術を用いることで、定常状態およびアレルギー疾患時のマスト細胞数を定量化することである。本研究により、マスト細胞についての定量的な理解が進み、アレルギー疾患の形成や治療効果に対する理解が飛躍的にアップデートすることが期待される。 本年度は、蛍光タンパク質によってマスト細胞を可視化する遺伝子改変マウス(Mcpt5-TdTomatoマウス)を作成して、その皮膚組織を、最新の組織透明化技術(Nat Protc 14:3506, 2019)を使い透明化し、3次元蛍光イメージングを行い、画像解析によりマスト細胞数の定量を試みた。 Mcpt5-TdTomato マウスの皮膚組織、特に真皮中に赤色に染色される多数のマスト細胞を同定することに成功した。 現在、Mcpt5-TdTomatoマウスの皮膚組織におけるマスト細胞を定量化する方法について検討中である。定量化に成功した後、各種のアレルギー疾患モデルをMcpt5-TdTomatoマウスに導入し、皮膚組織中のマスト細胞の数や分布の変化について解析する。アレルギー疾患モデルとしては、 蕁麻疹モデルの1つであるPCA(passive cutaneous anaphylaxis)反応を使う予定である。また拘束ストレス、自発的な運動誘発(回転カゴ留置による)、低温刺激(低温室での短時間のケージ暴露)、薬剤(ステロイド塗布、ヒスタミンH1受容体拮抗剤 、抗IgE抗体、抗IL-5抗体、JAK阻害剤など)による皮膚マスト細胞の数や分布の変化についても解析する。 これらの解析により、定常時の結合組織型マスト細胞の数や分布を解析するとともに、アレルギー疾患の病態時やストレス、薬剤投与時における結合組織型マスト細胞の量・空間・時間的な変化が明らかになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題で最も難易度が高いと思われる巣テープである蛍光タンパク質によってマスト細胞を可視化する遺伝子改変マウス(Mcpt5-TdTomatoマウス)の作成と最新の組織透明化技術(Nat Protc 14:3506, 2019)と3次元蛍光イメージングを行いた皮膚マスト細胞の同定に成功したため研究は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
各種のアレルギー疾患モデルや拘束ストレス、自発的な運動誘発、低温刺激、薬剤投与による皮膚マスト細胞の数や分布の変化についても解析する。 これらの解析により、定常時のマスト細胞数や空間分布を解析するとともに、アレルギー疾患の病態時やストレス、薬剤投与時におけるマスト細胞の量・空間・時間的な変化が明らかになる。
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