研究課題/領域番号 |
22K20897
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
山口 智亮 昭和大学, 薬学部, 助教 (20966197)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 / 線維化 / 可溶性エポキシヒドラーゼ / 可溶性エポキシドヒドロラーゼ / 内皮型一酸化窒素合成酵素 / HepG2細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) の発症にともない肝臓内の一酸化窒素による肝保護が消失し、結果として病態が難治化することが指摘されている。我々は、これまでの検討で真菌の培養上清からコレステロール合成抑制作用および一酸化窒素合成酵素 (eNOS) 活性化作用を併せ持つ新規天然化合物を見出し、予備的検討ではこの候補化合物が糖尿病・脂肪肝モデルマウスの肝機能を改善する可能性を明らかとした。本研究では、真菌由来天然物は NASH モデルマウスの病態を改善するか、真菌由来天然物が NASH を改善する作用点とは、の2つの問いを解明し、上記化合物の NASH 治療薬としての可能性を探る。
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研究成果の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の死亡率は肝線維化と相関していると言われており、現在NASH患者において線維化抑制薬の開発が望まれている。真菌由来化合物#27は可溶性エポキシヒドラーゼのホスファターゼ活性の阻害を介し、肝臓における線維化を抑制することが期待される。そこで、NASHモデルマウスを作製し、肝臓組織のSirius red染色にて、化合物#27の抗線維化効果を検討した。Control群と比較して、NASH群における肝臓の線維化領域は有意な増加を示し、化合物#27投与することにより有意な抑制を認めた。既存の治療薬とは違う治療メカニズムの新規NASH治療薬として将来性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、NASH 患者は増加をたどり、NASH を原因とする肝細胞癌の増加も社会問題となりつつある。現状、NASH から肝線維化および肝細胞癌の抑制効果を示した治療薬はなく、日本において NASH に対する保険適応をもった治療薬はない。真菌由来化合物 #27 は NASH モデルマウスにおいて線維化を抑制することにより、新規 NASH 治療薬となる可能性を秘めている。新規 NASH 治療薬の候補化合物を見出せたことは、臨床的に非常に意義深いことである。
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