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全身性強皮症の皮膚硬化におけるCXCL16の関与と治療ターゲットとしての検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K20909
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0903:器官システム内科学およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

井川 徹也  東北大学, 医学系研究科, 助教 (40962791)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード全身性強皮症 / 皮膚硬化 / ケモカイン / CXCL16
研究開始時の研究の概要

全身性強皮症は皮膚および内臓諸臓器の線維化と血管障害、免疫異常を三主徴とする自己免疫疾患である。皮膚線維化は急激に全身を侵すことがあり、患者のQOLを著明に低下させる。ケモカインは白血球を遊走させる作用で知られるが、近年臓器の線維化に直接的に作用することが報告されている。今回、比較的新しく発見されたCXCL16というケモカインに着目した。他疾患による内臓の線維化にはその関連性が指摘されているが、全身性強皮症において検討はなされていない。そこで我々は、CXCL16の皮膚線維化への関与を検討し、その抑制が線維化を改善するのか、治療ターゲットとしての可能性についても評価を行うことを目的とした。

研究成果の概要

本研究の目的は、全身性強皮症の皮膚硬化におけるCXCL16の役割を解明することである。健常者と比べ、全身性強皮症患者の線維芽細胞おいてCXCL16の発現が高かった。正常ヒト皮膚線維芽細胞CXCL16で刺激するとコラーゲン、TGFβ1などの線維化に関連する遺伝子の発現が増強した。次にマウスを用いて、ブレオマイシンで皮膚硬化を誘発し、同時にCXCL16遺伝子を抑制したところ、皮膚硬化が抑制され、線維化に関連する遺伝子の発現も抑制された。さらなる検討により、CXCL16はCXCR6を受容体として線維化のシグナルを伝え、細胞内でSMAD3のリン酸化が亢進することで線維化を促すことが明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

全身性強皮症は免疫異常を背景とし、皮膚や内臓諸臓器の異常な線維化を伴う難病だ。皮膚硬化はほぼ必発の症状であり、患者のQOLを著明に低下させる。しかし皮膚の線維化のみを特異的に抑制する治療はなく、ステロイドなどの全身的な免疫抑制が治療の中心である。その為、広範囲の急速進行性の皮膚硬化以外は治療の対象とならないのが現状だ。線維化に関連する分子を特定できれば、免疫抑制をせずに済み、軽症の皮膚硬化も治療できるようになる。今回の結果はCXCL16が全身性強皮症の皮膚硬化に関与しており、CXCL16の抑制は症状を軽減することが示された。以上から、CXCL16は治療ターゲットとして有望であると考えられる。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2025-01-30  

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