研究課題/領域番号 |
22K20911
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
池上 龍太郎 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20815360)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 不安定プラーク / 分子イメージング / 泡沫化マクロファージ / 自家蛍光 / 血管内イメージング / リソソーム / マクロファージ / 炎症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
安定狭心症に対する経皮的冠動脈形成術は生命予後を改善しないことが報告され、冠動脈プラークの破綻リスクに応じた新しい治療パラダイムの創出が望まれている。近赤外線自家蛍光法(NIRAF)を用いた血管内イメージングは、不安定プラークの診断に有用であることが報告されているが、不安定プラークが自家蛍光を発するメカニズムや病態的意義は十分に解明されていない。本研究では、不安定プラークに存在する自家蛍光粒子の発生メカニズムと病態的意義を明らかにすることでNIRAFの診断的意義を確立し、自家蛍光の抑制を糸口とした新しいアプローチの動脈硬化治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、培養マクロファージに酸化LDLを添加して作成した自家蛍光発生細胞を用いて、不安定プラークにおける自家蛍光発生のメカニズムについて検証した。自家蛍光発生マクロファージではリソソーム機能が低下していた。リソソーム機能阻害薬で自家蛍光は増強し、リソソーム賦活化薬によって減弱することが示された。本研究の成果より、泡沫化マクロファージにおける自家蛍光の発生は、脂質過負荷によるリソソーム機能低下に伴う細胞恒常性の破綻が原因であり、プラーク中の自家蛍光は細胞死に向かう機能不全マクロファージの存在を反映して、壊死性コアの検出に有用であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不安定プラークの診断法の開発は冠動脈疾患の大きなアンメットニーズである。米国で開発中である血管内分子イメージングデバイスNIRAF-OCTは、不安定プラークから発生する自家蛍光を検出しプラークの脆弱性を診断するというものであり、今後の臨床応用が期待されている。本研究は、不安定プラーク内に存在する泡沫化マクロファージがリソソーム機能不全を起こし細胞死に至る過程で自家蛍光を発生させていることを明らかとした。自家蛍光はプラーク不安定化に重要な壊死性コアの形成を反映していると考えられ、NIRAF-OCTによる自家蛍光検出の診断的意義を確立することができた。
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