研究課題
研究活動スタート支援
慢性閉塞性肺疾患(COPD)増悪は呼吸器病変、全身併存症の進行を加速させる。広く用いられるステロイドはだけでは併存症進行予防と炎症の制御が不十分とはいえず、新たな抗炎症アプローチが望まれる。本研究ではB細胞の抗体産生能低下、抑制性サイトカイン産生能異常に起因する炎症制御障害がCOPD増悪の炎症病態に寄与するとの仮説を検証する。COPD患者の血清バイオマーカー解析、末梢血中B細胞を用いたin vitroの刺激培養系、COPD増悪マウスモデルを通じ、COPD増悪の非好酸球性炎症病態の評価、病態改善に繋がる治療標的の同定を目的とする。
COPD患者・健康対象者を対象とした臨床研究について、前向き観察研究実施のための倫理委員会での審査が完了している。しかし、並行して行っている末梢血単核球の単離・培養・解析のためプロトコール修正、培養条件決定のための予備検討が予定通り進んでいないため、前向き観察研究が開始できていない状況である。臨床研究参加候補者の募集のため体制整備を行っている。臨床研究実施が遅れているため、所属研究室・免疫学講座共同で検討・評価が行われているCOPD増悪マウスモデルへの応用の目途も立っていない状況である。COPD患者の診断・評価に繋がる内容として、日本人成人・高齢者を対象としたCT肺容積の基準値に関する報告、COPD患者を対象としたCTで評価した骨格筋・脂肪と気腫病変や呼吸機能、QOLとの関連についての報告には関わった。
4: 遅れている
臨床業務などのため、培養条件設定などの予備検討が完了できておらず、対象患者・健常者の組み入れならびに患者検体解析が開始できていない。また、動物実験への応用の目途も立っていない。
まず培養条件設定などの予備検討を完了させる。並行して臨床研究参加候補者の募集のため体制整備を継続する。予備検討が完了次第、対象患者・健常者の組み入れ、ならびに検体解析を開始したいと考えている。当初の研究計画から大幅に予定が遅れており動物実験への応用は困難と考えられ、臨床研究を進める。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件)
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