研究課題/領域番号 |
22K20914
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中村 俊文 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10594583)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / ミネラルコルチコイド受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国における健康寿命・医療経済へ多大な影響を与える糖尿病性腎症の治療法は国内に限らず広く望まれているが、未だ有効な治療法は確立していない。しかし近年の大規模臨床研究FIDELIO-DKDにおいて、Mineralocorticoid receptor (MR)の拮抗薬投与が糖尿病性腎症患者の長期的な生命予後・腎予後を改善することが示され、糖尿病性腎症の病態におけるMR活性の重要性が明らかとなった。本研究では、申請者が先の研究で獲得した糸球体傷害の解析技術および知見を活用・発展させることで、MR活性化を介した糖尿病性腎症の病態を解明し、副作用を回避した新たな治療的アプローチの探索を目指す。
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研究実績の概要 |
これまでもAngiotensin 2 receptor blocker (ARB)及びSodium glucose cotransporter 2 (SGLT2)阻害薬による糖尿病性腎症への腎保護効果が大規模臨床研究で示され、同分子に着目した病態解析・研究がなされてきたが、特異的に有効な糖尿病性腎症治療薬の開発には至っていない。このような中で、糖尿病性腎症の新たな切り口による病態解析が求められている。そして近年報告された大規模臨床研究FIDELIO-DKDにより、糖尿病性腎症に対するMR拮抗薬の腎予後改善効果が示された。本報告は糖尿病性腎症におけるMR活性化の重要性を強くするものである。MRは腎尿細管細胞・腸上皮細胞に発現し、同部でのNa吸収・K排泄を調節することで生体における体液量・血圧の恒常性に重要な役割を果たすリガンド依存性転写因子であるが、これまでも非上皮性組織におけるMRが様々な病態で臓器障害に寄与することが示されており、今回の研究においては、糖尿病性腎症の腎糸球体傷害のメカニズムをMR活性化を観点として解析する計画である。 まず第一に、糖尿病モデルとしてストレプトゾトシン投与マウスを用いて、経時的な尿蛋白の増悪とMR拮抗薬(エプレレノン)投与による改善を確認した。エプレレノン投与により血圧の有意な低下は見られず、本改善効果は血圧非依存性であることを確認した。資材確保や条件検討に時間を要しているが、遺伝子発現および組織学的解析、さらには網羅的な細胞特異的RNA解析を順次進める方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度まで所属していた研究室で使用していた技術を用いた解析を進める予定であるが、同一資材の確保と環境整備に想定より時間を要している。また、シングルセルRNA解析を堅実に遂行するべく条件検討を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究資材の確保と条件検討を進めており、計画していた糖尿病モデルのPCRや組織染色を用いた腎障害解析と、網羅的な細胞特異的RNA解析を行う。それらの解析結果に基づき、分子生物学解析を進める。
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