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表皮角化細胞様に誘導した脂肪由来幹細胞を用いた栄養障害型表皮水疱症の新規治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K20923
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0903:器官システム内科学およびその関連分野
研究機関順天堂大学

研究代表者

松田 晃徳  順天堂大学, 医学部, 助手 (30964069)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード劣勢栄養障害型表皮水疱症 / 7型コラーゲン / 角化細胞 / 脂肪由来幹細胞 / 栄養障害型表皮水疱症 / 脂肪組織由来幹細胞 / VII型コラーゲン / 表皮角化細胞
研究開始時の研究の概要

栄養障害型表皮水疱症は、遺伝子異常によりVII型コラーゲンの発現が低下または欠損し、表皮・真皮間の係留線維に異常をきたすことにより容易に全身の表皮が剥離して水疱、びらんを生じ、しばしば潰瘍化する難治性皮膚疾患である。
当研究室では、脂肪組織由来幹細胞を効率良く表皮角化細胞に分化誘導する方法を見出した。本細胞をVII型コラーゲン欠損マウス皮膚に本細胞を投与すると、表皮基底膜部にVII型コラーゲンが発現し、水疱を生じにくくなることも確認した。そこで本研究では、細胞投与後の長期的な有効性、安全性を評価、検証し、表皮角化細胞様細胞を用いた栄養障害型表皮水疱症の新規治療法開発を目指す。

研究実績の概要

1.これまでに脂肪組織由来幹細胞を表皮角化細胞様細胞へと分化させたことを報告しており、脂肪組織由来幹細胞と比較して表皮角化細胞様細胞ではサイトケラチン-5とサイトケラチン-10の発現が増加しているということを根拠としていた。今回我々は、表皮角化細胞様細胞をゲル上で培養し観察した検体で、デスモソーム発現による細胞接着を電子顕微鏡で確認した。この結果は、表皮角化細胞様細胞へ分化している強い根拠となった。
2.表皮角化細胞様細胞を劣勢栄養障害型表皮水疱症への細胞治療開発を目的としている。細胞治療後のマウス皮膚を採取し、組織学的に水疱形成の割合を比較することで、水疱形成抑制の程度を評価した。組織学的解析では、表皮角化細胞様細胞投与群は、未分化脂肪組織由来幹細胞で治療した群と比較して、移植皮膚の表皮下水疱形成を優位に抑制することが判明した。この結果により、表皮角化細胞様細胞がDEB患者の水疱形成を抑制する可能性を示した。
3.臨床試験に向けての原材料の検討として、いままで使用していた試薬が全て基礎研究の試薬であったため、全てGMPグレードに変える必要がある。安全が担保された試薬選定し、基礎研究試薬から試薬グレードが変るため表皮角化細胞様細胞細胞へ分化誘導できるかも、その都度検討しながら試薬を選定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでにも脂肪組織由来幹細胞から分化誘導させた表皮角化細胞様細胞が、Col7-nulマウスに投与することで基底膜にCol7が新生することを示したが、今回細胞治療後の水疱形成の有無を組織学的に評価し表皮角化細胞様細胞投与が優位に水疱形成を抑制することを示せたことで、劣勢栄養障害型表皮水疱症の治療として有用である可能性を示した。

今後の研究の推進方策

重症で難治な先天性疾患である栄養障害型表皮水疱症患者に生じる難治性皮膚潰瘍の治療および瘢痕拘縮の予防による生活の質と予後の改善を目標として、表皮角化細胞様細胞に分化誘導した同種脂肪組織由来幹細胞による栄養障害型表皮水疱症モデルマウスを用いた研究にて治療効果の可能性を示せた。今後、臨床研究を開始するために必要な製造、品質、非臨床安全性、効能に関する研究を実施する。具体的には非臨床試験に用いるための品質および安全性が担保された製品を製造するための製造工程や品質管理項目の決定、特性解析研究を実施していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2024-12-25  

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