研究課題/領域番号 |
22K20936
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
早稲田 悠馬 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (10759559)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 尿路結石症 / 上部尿路結石 / 水腎症 / 経尿道的尿路結石砕石術 / 腎機能障害 / 上部尿路結石症 / 腎血流 / 尿路結石 / ラジオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
上部尿路結石症では水腎状態が持続した場合に、腎機能障害が生じることが危惧される。排石可能時期に基づいて、1ヶ月を超えて排石されない場合の手術介入がガイドライン上推奨されるが、実臨床では3ヶ月前後待機することも多い。造影CTの皮髄相を利用すれば、分腎機能を評価できることをこれまでに報告してきており、本研究では同手法を用いて、砕石治療前後の患側分腎機能の経時的解析を行う。これにより、尿路結石症例における適切な待機期間を提案することができ、拙速な介入による過剰治療や、長期待機による不可逆的な腎機能障害を回避できる。
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研究成果の概要 |
経尿道的尿路結石砕石術症例のうち、術前に造影CT皮髄相が撮影され、ドレナージ治療非実施で、術前後のeGFR値を有す44例を対象にCT撮影からの治療待機期間と造影CT撮影時と術翌日の血清クレアチニン値に基づくeGFR回復率の関連を解析した。 水腎あり群のeGFR回復率は有意に良好で、27例中7例(26%)で25%以上のeGFR回復を認めた。eGFR25%以上の回復を得るための待機期間はROC曲線から40日以内と算出され、腎機能障害の回避には診断後40日以内の治療介入が望ましいことが示された。特に患側腎血流低下を認める症例では腎機能障害の進行が早いため、より早期の介入が必要であることも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上部尿路結石症では、尿流障害による経時的な腎機能障害が生じうるが、腎機能障害の観点からの最適な治療介入時期についての報告はない。本研究では、水腎のある症例において、腎機能障害の回避には診断後40日以内の治療介入が望ましいこと、特に患側腎血流低下を認める症例では腎機能障害の進行が早いため、より早期の介入が必要であることが示唆された。 この新規知見により、治療介入遅延に伴う腎機能障害を防止できるとともに、自排待機を設定することで過剰な治療介入も防止できる。これにより、医療に関する社会的、人的資源の適正使用にも寄与するものと考えられる。
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