研究課題/領域番号 |
22K20940
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中道 亮 岡山大学, 大学病院, 研究准教授 (20803167)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 幹細胞 / 機械刺激応答 / 腱分化 |
研究開始時の研究の概要 |
幹細胞を腱細胞へと分化させる方法として種々の成長因子やメカニカルストレスが有効であることが報告されているが、腱分化システムはまだ発展途上である。そこで本研究では機械刺激応答性カルシウムチャネルPIEZO1の腱分化におけるこの役割を明らかにし、さらにその知見を基にPIEZO1の活性を調整してより良好な移植細胞を生成することを目標とする。
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研究成果の概要 |
幹細胞の腱分化における機械刺激の影響を、機械応答性カルシウムイオンチャネルレセプターであるPIEZO1に注目をして解析を行った。マウス肢芽由来間葉系幹細胞であるC3H10T1/2細胞に細胞伸展培養装置を用いた検討では、高負荷条件では骨分化傾向が、低負荷条件では腱分化傾向が強まることが明らかになった。硬度調整可能な培養ゲルにPIEZO1アゴニストを付加した検討では、高硬度条件では骨分化マーカーが、低硬度条件では腱分化マーカーの発現が上昇することが明らかになった。 次に、腱組織由来の幹・前駆細胞を用いた検討では、PIEZO1アゴニスト付加により硬度に依存せず腱分化傾向が高まることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上記の研究成果から、細胞周囲環境と機械刺激応答シグナルの調整により間葉系幹細胞の分化方向を制御できる可能性が見出された。Tissue engineeringの分野では1つの臓器を作成するために複数の器官を同時に生成することの困難さが問題点の1つとなっているが、本研究により筋骨格系分野において、幹細胞と周囲環境、機械刺激応答シグナル調整を制御することで、複合組織を生成することができる可能性が示唆された。この研究結果は将来的な整形外科領域における再生医療促進のための基盤研究として社会的意義の高いものと考えられる。
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