研究課題/領域番号 |
22K20941
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
井上 善紀 岡山大学, 大学病院, 医員 (20963052)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / チアノーゼ性先天性心疾患 / 心腸関連 / 薬剤 / マイクロバイオーム / 先天性心疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、循環器疾患と腸内細菌叢の関連が注目されており、腸内細菌叢の構成変化が炎症性サイトカインやエンドトキシンなどを介して心血管イベントの発症に影響を及ぼすという「心腸連関」の新しい概念が提唱されている。一方で、循環器疾患の中でも先天性心疾患における「心腸連関」については、十分に解明されているとは言えない。そこで、本研究においては、チアノーゼ性先天性心疾患患児における腸内細菌叢の構成変化を明らかにし、心血管イベントの発症に及ぼす影響を解明することで、新たな治療介入法の開発につなげていく。
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研究実績の概要 |
近年、循環器疾患と腸内マイクロバイオームの関連が注目されており、腸内マイクロバイオームの構成変化が炎症性サイトカインやエンドトキシンなどを介して心血管イベントの発症に影響を及ぼすという「心腸連関」の新しい概念が提唱されている。本研究においては、心臓血管外科手術患者を対象に、周術期の投薬による腸内マイクロバイオームの変化を明らかにし、周術期やその後の心血管イベントの発症への影響を解明することを目的とする。 岡山大学病院では、年間400件を超える心臓血管外科手術が行われており、申請者らは、すでに一部の先天性心疾患患者において、倫理委員会の承認を経て、患者糞便サンプルの採取を開始し、凍結保存を進めている。保管済みのサンプルについては、本研究においても使用可能である。 本研究は以下の4つの項目を検討予定である。1. 心臓血管外科手術患者の周術期使用薬剤と腸内マイクロバイオームの関連の検討 2. 腸内マイクロバイオームと周術期心血管イベント発症の関連の検討 3. 腸内マイクロバイオームの構成変化が遠隔期心血管イベント発症に及ぼす影響の検討 4. 腸内マイクロバイオームに影響を及ぼす薬剤の適正使用法の検討
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
母の分娩前の便採取を確実に行い保存する方法(採取・運搬・保存・容器)を検討中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
1.心臓血管外科手術患者の周術期使用薬剤と腸内マイクロバイオームの関連の検討① 手術目的に入院した患者を対象に周術期投薬歴の把握および糞便サンプルの採取を行う。糞便サンプルは術前、術後初回排便時、退院前の3回採取し、-80℃で凍結保存する。② 採取した糞便サンプルから、DNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いて16S rRNAのV3~V4領域のアンプリコンシーケンス(外注 株式会社生物技研に依頼予定)を行う。③ シーケンスデータを解析し、腸内マイクロバイオームの変化を明らかにする。④ 術前、術直後、退院前の腸内マイクロバイオームのデータから、投薬内容と腸内マイクロバイオームの構成変化の関連を明らかにする。 2. 腸内マイクロバイオームと周術期心血管イベント発症の関連の検討①腸内マイクロバイオームの構成と、在院死亡、再手術・カテーテル治療の有無、心血管イベントと関連を検証する。②術後の血液・画像検査などなどの臨床検査データと、腸内マイクロバイオームの構成との関連を明らかにする。 3. 腸内マイクロバイオームの構成変化が遠隔期心血管イベント発症に及ぼす影響の検討糞便を採取した心臓血管外科手術患者の心血管イベント(心血管死亡、再入院・再手術など)を1年間にわたり追跡することにより、遠隔期心血管イベント発症と、腸内マイクロバイオームの変化の関連性を明らかにする。 4. 腸内マイクロバイオームに影響を及ぼす薬剤の適正使用法の検討 腸内マイクロバイオームを介して周術期の心血管イベントの発症に影響を及ぼしていると考えられる薬剤投与の期間を短縮する、または投与を中止する、もしくは他剤に変更することで、実際に腸内マイクロバイオームの構成が変化するかを前向き研究にて検証する。
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