研究課題/領域番号 |
22K20945
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
哲翁 華子 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (90966847)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Hepato-Biliary Sheet / CLiP / 肝細胞シート / 再生医療 / 胆道構造 / 肝胆道複合化シート / シート移植 / 肝障害モデルマウス / 肝不全モデルマウス / 肝胆道シート / 肝不全マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
肝疾患の末期である肝不全に対する治療法は、肝臓移植が有効であるが、ドナー不足や移植適応年齢等の問題に伴い十分に実施できていない現状にある。近年では肝臓移植に代わる代替治療として再生医療技術の開発が行われている。本研究は、胆汁排泄能を有する肝細胞シートを新たに開発し、その性能ならびに移植後の胆道構造について評価することを目的とした。具体的には低分子化合物刺激により脱分化させた肝前駆細胞より胆管様ネットワーク構造を有する足場組織を形成しその上に肝細胞を播種することで肝/胆複合化細胞シートを作製する。作製した肝/胆複合化細胞シートを肝疾患モデルの肝臓へ移植することで肝/胆機能補填を実証する。
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研究成果の概要 |
肝細胞シートにCLiP由来胆道構造を組み合わせた肝/胆道複合化シート(Hepato-Biliary sheet: HBS)を作製し評価した。HBSはCLiPを胆管誘導培地で14日間培養し胆道構造誘導後成熟肝細胞を播種し作製した。免疫染色で胆管構造と成熟肝細胞が隣接しており、胆汁排泄アッセイにおいても十分な機能を示した。また、HSに比べCYP3A4活性やアルブミン産生能は有意に高値を示した。肝特異酵素およびトランスポーターの遺伝子発現が有意に高値であった。生体内ではシート内に胆管構造や血管成分がみられた。また、血中ラットアルブミン濃度は、HBS群は術後7日から28日にかけて有意に高値であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで細胞源が豊富で培養法が確立した肝細胞を用いた肝臓の再生医療に関しては様々な研究がなされてきたが、胆管上皮細胞は培養困難と言われており、同細胞を細胞源とした胆道系の作製は困難とされてきました。今回、低分子化合物刺激により誘導した肝前駆細胞を用いることで胆管上皮細胞を誘導でき、それにより胆道構造を新たに作製しました。胆道構造を有する肝細胞シートは、肝臓により近い高次元の組織として機能することが期待できます。
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