研究課題/領域番号 |
22K20955
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 研資 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60964939)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高分子ナノミセル / 胎盤通過性 / インドメタシン / Drug Delivery / 薬剤の胎盤通過性 |
研究開始時の研究の概要 |
早産に対する有効な治療は存在しない。インドメタシンは、早産の原因となる炎症を阻害し、有効性が明らかな治療薬であるにも関わらず、高い胎盤通過性を有し、胎児に移行して胎児の動脈管収縮をはじめとした胎児毒性をもたらすことから、本邦では使用が禁止されている。本研究は高分子ナノミセル技術を用いて、高分子ナノミセルにインドメタシンを搭載し、インドメタシンの有する胎盤通過性を制御することで、胎児毒性の懸念のない、有効な新規早産治療薬としての臨床応用を目指す。
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研究実績の概要 |
インドメタシンミセルと類似した構造をとるPEGylated-Gold Nanoparticles (GNPs)用いてヒト胎盤通過性の違いを検証し、10nm、20nm、30nmのGNPsそれぞれについて検証を行った。予備実験において、30nmのGNPsがヒト胎盤灌流モデルにおいて胎盤通過性が著明に低下することを示していたが、実験を複数回行うことにより、10nmGNPs、20nmGNPs、30nmGNPsそれぞれの胎盤通過性についてのデータ集積に成功した。その結果、予備実験の結果を指示する形で、GNPsはサイズ依存性に胎盤通過性が低下し、30nmGNPsがほとんど胎盤を通過しないことを有意差をもって示すことが出来、PEGでコーティングされた物質の胎盤通過におけるサイズのカットオフが30nmにあることを明らかにすることに成功した。インドメタシンを搭載した高分子ナノミセルに関しては、未だ有意差は示せていないが、40nmの高分子ナノミセルがインドメタシン単体と比べて胎盤通過性を低減する傾向にあることを示した。 マウス実験に関しては、インドメタシンの胎児毒性として代表的な動脈管収縮についての実験を中心に施行したが、マウスの動脈管は非常に細く、病理組織の切片を作ることに難渋している。また、インドメタシンはコントロールとして動脈管収縮を起こすものであるとして実験に臨んでいるが、インドメタシン投与でも安定して動脈管収縮を示すモデルが得られておらず、試行錯誤を重ねている。インドメタシンが可逆性変化であることは報告にもあるが、インドメタシンを投与した全例で動脈管収縮が起こるわけではないかもしれないと考えている。また、インドメタシンが動脈管収縮を起こす血中濃度についても明らかではないため、他の動物実験との整合性を取りながら、安定してインドメタシン投与による動脈管収縮が起こるモデルの習得を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染の観点からヒト胎盤の入手が出来ない状況が続いており、また動物実験の遂行にも制限が生じておりヒト胎盤を用いた研究、マウスを用いた研究ともに予定通りに進行できていない状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染症分類が5類感染症に変更するにあたり、ヒト胎盤の入手が可能な状態になること、動物実験の施行制限は解除されることが見込まれる。当初の計画通り、ヒト胎盤を用いたex vivo胎盤灌流モデルを用いてインドメタシンおよびインドメタシンミセルの胎盤通過性についてさらに検証を重ね、ヒト胎盤を高分子ナノミセル搭載物質が通過するカットオフについて検証を行う予定である。さらに、早産期胎盤や妊娠高血圧腎症など産科的合併症を有する胎盤においても検証を行うところまで研究を進めていきたいと考えている。 マウスを用いた実験に関しては薬剤の分布についての検証をさらに重ね、インドメタシンおよびインドメタシンミセルの体内分布・蓄積について定量的評価を行いたい。さらに、インドメタシンおよびインドメタシンミセルにより動脈管収縮が起こらないかどうかについて、検証することを目標としたい。
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