研究課題/領域番号 |
22K20956
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青山 二郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30964712)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 好中球 / シトルリン化 / 動脈硬化症 / 頚動脈狭窄症 / PAD4 / 動脈硬化 / 頸動脈狭窄症 / 血管炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
血管炎症の初期段階においては白血球の血管内皮細胞への接着が重要である。この際に接着する白血球は好中球であり、好中球の接着現象にはpeptydilarginine deiminase 4(PAD4)を介したタンパクのシトルリン化が重要であることをin vitroや動物実験で明らかにしてきた。しかし血管炎症によって誘発される頚動脈狭窄症において、PAD4によってシトルリン化したタンパクがその発症・進行に寄与しているかは不明である。本研究は、PAD4を介したタンパクのシトルリン化が頚動脈狭窄症の発症・進行に寄与しているかを明らかにし、頚動脈狭窄症患者に対する新たな治療法の開発を行うことを目的とする。
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研究成果の概要 |
症候性群8例・無症候性群12例と、安定プラーク(S)群8例・不安定プラーク(U)群12例の比較では患者背景にそれぞれ有意差はなかった。PAD4とPDIA1の血中濃度は症候性群・無症候性群・健常者群と、S群・U群・健常者群のそれぞれ3群間で有意差はなかった。 頸動脈プラーク標本を作成しHE染色とMPO、Histone H3、PAD4の免疫染色を行った。HE染色では大部分は炎症細胞を認めず紡錘形の線維芽細胞や石灰化が主体だった。炎症細胞集積部位では好中球はほとんど認めず単球・マクロファージが主体だった。免疫染色ではMPO、Histone H3、PAD陽性細胞数は2群間で有意差はなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頚動脈狭窄症に対して内膜剥離術を施行した患者を対象に、頚動脈狭窄症の発症様式やプラーク性状の違いに好中球タンパクシトルリン化がどのように関与しているかを検討した。症候性群・無症候性群、並びに安定プラーク群・不安定プラーク群の2群間で患者背景に違いはなく、プラーク内の活性化好中球数やヒストンH3、PAD4陽性細胞数にも違いはなかった。これまでの研究では好中球シトルリン化は細胞接着現象に関与していることが示唆されているが、本研究結果からは頚動脈狭窄症の発症形式やプラーク性状の違いには関与していない可能性が示唆された。
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