研究課題/領域番号 |
22K20961
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
金谷 治尚 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (50965093)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 坐骨神経損傷モデル / キチンナノファイバーシート / 末梢神経 / キチン・キトサン / ナノファイバー / 神経再生 / キチン / ヘパラン硫酸 |
研究開始時の研究の概要 |
軸索変性を伴う末梢神経損傷に対する治療は不良な経過を辿ることがあり、新しい治療方法が必要である。この課題に対し申請者は、鳥取大学が生産技術の確立に成功した天然高分子素材であるキチンナノファイバーには in vivo での軸索再生因子の供給能があることに着目した。本研究では、「キチンナノファイバーシートは神経再生促進効果を持つ」との仮説を動物実験から検証する。具体的には、ラット坐骨神経の挫滅後直ちに損傷部位近傍にキチンナノファイバーシートを留置し、運動・知覚機能を改善させ、また軸索再生因子を増やすかについて時系列的に調査する。本研究から、末梢神経損傷に対する新しい医療方策開発への糸口をつかむ。
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研究実績の概要 |
目的は坐骨神経損傷モデルラットの神経損傷部にキチンナノファイバーシートを留置することで、運動機能の改善、神経再生が促進されるかどうかを調査することである。 【坐骨神経損傷モデルの作成】まず坐骨神経損傷モデルラットの作成について、損傷の程度を一定化するため、インパクターを用いて、400Nの力で坐骨神経を損傷した。しかし、ラットの自然治癒力によって、3週で身体所見的には損傷前までの神経の状態に戻ってしまった。電気生理学検査は処置後6週で実施したが、損傷前と同様の結果となってしまったため、損傷の方法を変更することとした。坐骨神経を長さ10mmの平板で挟み込み、manual maxで10秒間圧迫し損傷モデルを作成した。それにより6週間の電気生理学的異常と、身体所見の異常が確認できた。組織学的に評価を行い、変性が確認できれば、以後損傷モデルとして、この方法を用いることとしている(組織学的評価待ち)。 また同時にキチンナノファイバーシート留置も実施した。留置による問題が生じていないか(異物反応など)組織学的に評価予定である。 組織学的評価が済み次第、本実験に進む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
坐骨神経損傷モデルの作成において、当初予定していた方法では研究に十分な期間の障害が作成できなかった。損傷の方法を試行錯誤し、最低6週間の評価を行ったため、時間を消費してしまった。実験は2人以上で行う必要があることなどから、スケジュール調整が難しく、また研究以外の業務が多いこともあり、十分な時間を実験に割けなかった。
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今後の研究の推進方策 |
上記坐骨神経損傷モデルの組織学的評価にて、十分な障害が得られていれば、本実験に進む予定である。 本実験は、実験計画書に基づいた方法(坐骨神経損傷の方法は予備実験で確立した方法に変更)で、皮膚切開のみ群、坐骨神経損傷のみ群、坐骨神経損傷+キチンナノファイバー留置群で、6週間をend pointとした、運動機能、電気生理学的評価、組織学的評価を行う。
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