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ヒト骨芽細胞の網羅的抗体ライブラリ作製と発現タンパクに基づく細胞分化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20970
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
研究機関信州大学

研究代表者

吉田 和薫  信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (60770774)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード骨芽細胞 / 表面抗原 / 抗体 / ヒト
研究開始時の研究の概要

骨芽細胞は分化に伴い発現タンパクがダイナミックに変化することが知られ、分化マーカーの発現パターンによって3つの段階に分類されている。しかし、各段階の境界は曖昧で、分化の全容は解明されていない。特に、ヒト骨芽細胞は生細胞の単離法が確立されていないため、細胞機能の解析が進んでいない。
本研究ではヒト骨芽細胞に対する網羅的な抗体ライブラリを作製し、骨芽細胞特異的な細胞表面抗原を同定する。さらに取得した抗体を用いて、骨芽細胞の分化に伴うタンパク発現の変化を解明する。特異的抗体の作製とタンパクレベルでのヒト骨芽細胞分化の解明は、今後の骨芽細胞研究の基盤となり、骨関連の研究の発展と臨床応用に寄与する。

研究実績の概要

本研究ではヒト骨組織検体から分離した骨芽細胞を抗原としてラットを免疫し、抗体産生細胞を得てハイブリドーマを作製することが第一段階となっている。
昨年度の課題としてヒト骨芽細胞の分離が悪く、培地上での生着細胞が皆無であったことが挙げられたが、本年度は主にこの課題に取り組んだ。
採取率が上がらない原因として①手術によって得た骨検体の質、②骨検体の保管を含めた取り扱い、③細胞分離の方法の3つの可能性を考えた。①は骨検体採取の対象となるのが変形性股関節症や変形性膝関節症といった高齢者に多い変性疾患であることで、骨芽細胞の数や質が悪い可能性がある。倫理審査の変更を行い、若年者の手術検体を入手できるよう変更を行ったが、実際に対象となる症例はなく、高齢者を対象として研究を継続している。②手術の特性上、採取した骨組織をすぐに研究用に使用することができず、採取してから細胞の分離を開始するまでに時間を要する。症例によっては移植を行わないことが明確な症例もあるため、生食ガーゼなどで乾燥しないように注意したうえで可及的速やかに回収を開始するプロトコールを作成した。また、人工膝関節手術では切除する骨組織が薄く、ボーンソーの熱による細胞損傷が起きている可能性があるため本年は使用を控えた。③マウス骨芽細胞分離のプロトコールを用いていたが、Matthew(Bone, 2016)らの方法に変更を行った。
これらにより安定的に骨芽細胞分離が可能となり、数例でラットへの免疫を行って採取したリンパ球の保存を行った。今後は対象症例数を増やし、引き続きラットの免疫を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度からの課題であったヒト骨芽細胞の分離法はおおむね確立し、ラットを免疫する段階まで進んでいるのは進捗である。しかし、質の良いヒト骨検体を採取する機会が少なく、実験を行える回数が想定より少なくなってしまった。特に頻度の多い人工膝関節置換術での骨検体は骨切除量によってボーンソーの熱による細胞障害が懸念され、本年度は使用しなかった。一方で、人工股関節置換術での骨検体として大腿骨頭からの大量の骨組織の採取を想定していたが、再置換術のために同種骨として検体を保管するケースがあり、想定より研究に使える検体が集まらなかった。
当初の計画より遅れており、一年間研究期間の延長を行い研究を進める予定である。

今後の研究の推進方策

人工股関節置換術で得るヒト骨検体を用いて研究を進める。ヒト骨芽細胞の分離段階での課題はおおむね本年度の成果で克服できており、1年間研究期間を延長し、症例を集めることで研究が進むと考えている。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2024-12-25  

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