研究課題/領域番号 |
22K20984
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木内 桜 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (30963061)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 認知機能 / 口腔 / 認知症 / コホート研究 / 因果推論 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔状態の悪化が認知症発症に影響を与える可能性が示唆されている。その経路として、脳への刺激の低下、歯周病の炎症、栄養摂取の低下、社会活動の低下がある。これまで個別にメカニズムの検討はなされているが、その影響の大きさを同時に比較することはできておらず、口腔状態と認知症発症との関連は示されているものの、その因果関係については明らかではない。本研究では、どの経路の影響が大きいのかを定量化し、口腔状態の悪化から認知症発症への因果効果を推定する。
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研究成果の概要 |
シンガポールの高齢者を対象とした、3時点調査データ(Panel on Health and Ageing of Singaporean Elderly (PHASE)を用い、歯の本数と認知機能との関連について検討した。重度の認知機能低下のある人を除いた合計1,516人の研究対象者が解析に含まれ、Longitudinal Modified Treatment Policy approachによる解析の結果、歯の喪失予防の程度が大きくなるほど、認知機能スコアは向上した。歯の喪失を防ぐことは、高齢者の認知機能の維持や向上に利益をもたらす可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者において機能的歯列(20本以上)を維持することが認知機能の改善につながる可能性が示唆された。認知機能の改善は、研究対象者を20本以上に予防介入した場合に一番大きく、単に10本以上の歯を残すことだけでは、認知機能の大きな改善にはつながらなかった。機能歯列の維持は、高齢になってからの介入では達成が困難であるため、幼少期からの歯の喪失予防が重要である。そのためには、フッ化物使用や、砂糖や喫煙といったリスクファクターへの対策が必要であると考えられる。
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