研究課題/領域番号 |
22K20991
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山賀 俊介 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50964863)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯周病 / 喫煙 / タイトジャンクション / 細胞接着 / 歯肉上皮 / 上皮バリア |
研究開始時の研究の概要 |
喫煙は歯周病の発症および進行を誘発する主要なリスク因子である。喫煙はヒト気管支上皮細胞において細胞接着分子のタンパク量を減少させることが報告されている。しかし、喫煙が歯肉上皮細胞のバリア機能に与える影響については不明な点が多い。 そこで本研究では、 ①タバコ抽出液による細胞接着分子の局在変化に関与する分子基盤の解明 ②タバコ抽出液による歯肉上皮バリアの破綻を防御する物質の探索 を目的として研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究ではタイトジャンクション構成タンパク質に焦点を当て,喫煙がヒト歯肉上皮細胞のバリア機能に与える影響を調べた.その結果,紙たばこから作成したタバコ抽出液が細胞接着分子のひとつである junctional adhesion molecule 1(JAM1)の局在を細胞膜上から細胞質内へ移行させ,異物透過性を亢進させることを確認した.また,喫煙者の患者より採取したヒト歯周組織サンプルでは,細胞膜上に局在する JAM1 が非喫煙者と比較して減少していた.これらの結果より,喫煙は歯肉上皮に発現する JAM1 の局在移行を惹起し,歯肉上皮バリアを破綻させることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,喫煙によりタイトジャンクション関連タンパク質の一つである JAM1 の局在移行を通じて歯肉上皮バリア機構が障害されること,そしてビタミンCを添加した歯肉上皮細胞ではその効果が抑制されることを確認した.喫煙は歯周病の主要なリスク因子であり,喫煙による歯周病発症・進行を抑制するためには,国民の禁煙行動を高めることが最も効果的である.しかし,我が国の喫煙者の割合は減少傾向にあるものの,依然として高い水準で推移している.そのため,禁煙の励行とともに喫煙による歯周組織の破壊メカニズムおよびその抑制因子を解明することは社会的意義があると考える.
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