研究課題/領域番号 |
22K20993
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
今村 芹佳 (本池芹佳) 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (40964630)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セロトニントランスポーター / PKC / 静脈麻酔薬 |
研究開始時の研究の概要 |
プロポフォールは、頻用される静脈麻酔薬であるが、副作用として血管痛やプロポフォール注入症候群等が知られる。しかし、これら副作用の発症機序に根差した治療法策は未だない。ケタミンは、最近、抗うつ薬としての臨床使用が認められたが、その作用機序は明らかでない。これらの全身麻酔薬の共通の作用機序として「膜脂質説」が最近再注目されている。この説では、脂溶性の高い麻酔薬が細胞膜に浸透することにより駆動される情報伝達系が、作用発揮に重要である。本課題では、これら麻酔薬が駆動する情報伝達系をPKCとSERTを指標に明らかにし、麻酔薬の副作用の軽減や抗うつ作用の理解に繋げることを目的とする。
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研究成果の概要 |
プロポフォールおよびケタミンを処理した細胞をリン酸化プロテオミクスに供し、プロポフォールが誘導するリン酸化タンパク質を網羅的に検索した。それらのタンパク質として血管痛の原因候補としてNO合成酵素、TRPチャンネル、麻酔薬効果発揮の候補としてTREK-1などのイオンチャンネル、また抗うつ薬発揮作用に関して、SERTなどを想定していたが、想定していた結果には至らなかった。 一方、PKC-GFPを HeLa 細胞で発現させ、共焦点レーザー走査顕微鏡にてプロポフォール誘発性動態を観察した結果、プロポフォールによりPKC転座が誘発され、PKCが活性化されることおよびそのメカニズムは明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロポフォールは、頻用される静脈麻酔薬であるが、副作用として高頻度で血管痛を発生する。また、致死性の高いプロポフォール注入症候群も知られる。これら副作用の発症機序に根差した治療方策は未だなく、その開発は臨床上急務となっていた。そのため、本研究においてプロポフォールの副作用の機序を解明することは、今後臨床において患者に薬剤を使用するうえで安全性を高めることができ、社会的意義があると考えられる。 また、ケタミンは最近、即効性を示す抗うつ薬としての臨床使用が認められたが、その作用機序は明らかでない。そのため、プロポフォール同様、作用機序を明らかにすることは社会的意義があると考えられる。
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