研究課題/領域番号 |
22K20997
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
劉 隣 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (10963697)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | EGFR / CYLD / セツキシマブ / 脂質ラフト / エンドサイトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
上皮成長因子受容体 (Epidermal growth factor receptor; EGFR) は頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)の約90%に過剰発現し、重要な治療標的のひとつである。一方、腫瘍抑制因子 (Cylindromatosis; CYLD)は、多くのHNSCCで発現が低下しており、不良な生命予後と関連している。申請者は近年、HNSCC細胞におけるCYLDの発現低下が抗EGFR抗体であるセツキシマブ(CTX)耐性を誘導することを見出した。本研究では、CYLDによるEGFR動態制御機構を解明することで新たな EGFR 標的治療戦略の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
腫瘍抑制遺伝子であるCYLDの発現が低下した頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)は、抗EGFR抗体であるセツキシマブ(CTX)に耐性を示し、その耐性はコレステロール降下薬によって脂質ラフトを除去することで克服することがわかっている。また、CYLDは脂質ラフト上でチューブリンや微小管を制御している。CYLDの発現の有無が脂質ラフト上のチューブリンの動態にどう影響しているのかを解析することで効果予測バイオマーカーの特定やHNSCCにおける新たなEGFR標的治療戦略の創出を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在 HNSCC において認可されている分子標的薬はCTXのみである。しかし、CTX が顕著な効果を示すのは HNSCC 患者の一部に限られることから、効果予測バイオマーカーの特定と CTX 治療の有効性を向上させる取り組みの双方が必要とされる。CYLD 低発現に伴う CTX 耐性に対するコレステロール降下薬のドラッグリポジショニングの可能性を探ることで EGFR 動態制御機構を起点とした HNSCC の病態解明や新たな治療戦略の創出に寄与することができると考える。
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