研究課題/領域番号 |
22K21003
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
松尾 一朗 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (40962907)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯周病原細菌 / 内毒素 / 交感神経系 / 歯周病 / 心拍変動解析 / 心疾患 / 歯周医学 / オーラルフレイル |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は様々な全身性疾患の発症と進行に関与していることが示唆されており、なかでも死亡原因第2位の虚血性心疾患との関連については数多くが報告されている。特に交感神経系の異常亢進はβアドレナリン受容体の持続的刺激による心疾患発症に関与することが知られている。本研究では「歯周病により誘導される心筋の機能不全にβ1-ARシグナルの持続的な活性化が重要である」という仮説をたて、β1-AR 選択的阻害薬(メトプロロール)を用いて仮説の検証を行う。本研究はオーラルフレイルの予防により心疾患の発症を減らし健康寿命の延伸の可能性を分子レベルで解明する先駆的研究である。
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研究成果の概要 |
歯周病罹患患者では心疾患の発症原因である交感神経系の活性化の指標である、心拍変動解析(HRV)の異常を認める割合が高いことが報告されたが、詳細な発症メカニズムは不明である。歯周病による交感神経系の活性化を測定することを目的にマウスを用いてControl群・歯周病菌由来内毒素(PG-LPS)群を作成しHRV解析(LF/HF)を実施した。血清採取後、交感神経系の活性を示す血清アンギオテンシンllを測定した。何れもControl群に比較してPG-LPS投与群で有意に高値を示した。以上の結果からPG-LPSの慢性投与は、交感神経系の持続的な活性化による心疾患発症に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病は心疾患の発症に関与することが示唆されているが、その発症メカニズムについては不明な点が多い。特に歯周病が交感神経系の異常亢進による心疾患発症との関連についての知見は少ない。本研究ではマウスに歯周病原細菌由来内毒(PG-LPS)を投与したところ、投与前と比較して交感神経系の活性化の指標である心拍数・LF/HF ratioは有意に上昇し、交感神経系の活性を示す血清アンギオテンシンllも上昇した。以上の結果からPG-LPSの慢性投与は交感神経系の持続的な活性化による心疾患発症に関与している可能性が示唆された。これらの研究成果は歯周病予防は心疾患発症予防にも繋がることが示された。
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