研究課題/領域番号 |
22K21005
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
前芝 宗尚 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (90964338)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | アルツハイマー型認知症 / 口腔粘膜 / 義歯装着 / 咬合感覚入力 / リン酸化タウ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、歯を喪失した場合,口腔機能の低下,社会性の低下,口腔保健のQOLの低下などに関与していると共に、認知能が低下することが報告されている。しかしながら、義歯による咬合支持により認知症の発症リスクを軽減可能という報告はあるのもの、未だこの機序を含めて明確な医学的実証を示すまでに至っていない。さらに、この咬合支持回復は、歯根膜に代わる口腔粘膜からの感覚入力がどの様にして補っているか全く不明である。そこで、歯の喪失後の咬合支持回復と認知能維持の相関を明確にし、アルツハイマー病発症リスクを特に軽度認知症障害時に予防・軽減する方法を提案することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
抜歯を行うことで、アルツハイマー病モデルマウスは抜歯後2ヶ月および4ヶ月では行動試験で認知能力が低下したが、6ヶ月は変化はなかった。AD関連分子の陽性細胞を増加させた。さらに、抜歯後2ヶ月および4ヶ月の海馬におけるAD関連タンパク質の発現が、抜歯後4ヶ月の海馬のCA3におけるp-Tauの陽性細胞を、非抜歯のコントロールと比較して優位に増加することを解明した。また、in vivo実験では、咬合支持回復により、2ヶ月齢、4ヶ月齢において行動科学試験を用い認知能の評価を行ったところ、わずかに回復傾向にあった。6ヶ月齢以降において変化はなかった。in vitro実験においても同じ傾向であった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、咀嚼、嚥下、及び咬合などの口腔機能の口腔医学的な正常の維持により、認知能低下の予防や改善されることが、臨床の現場で明らかになって来ている。その発症機序とリスク排除に関する明確な医学的検証は必須となっている。認知症の中で最も発症率が高いのはアルツハイマー型認知症であり、発症経路としては、アミロイドβが蓄積されること、同時に異常リン酸化されたタウタンパク質により誘発されることが報告されている。しかし、具体的な治療法はなく、認知症の発症前の段階の軽度認知障害(MCI)での危険・増悪因子を医学的根拠に基づいての排除し認知症の予防や進行の遅延の方法を医学的根拠に基づいて確立することが考えられる。
|