研究課題/領域番号 |
22K21018
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長谷川 大学 九州大学, 大学病院, 講師 (20757992)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 歯根膜幹細胞 / 幹細胞転換 / BMP4 / 歯周組織再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではまず、cDNAマイクロアレイ法による網羅的遺伝子解析、および次世代化合物ライブラリーを活用することで、歯根膜細胞を幹細胞へと転換させることのできる低分子化合物を見出す。さらには、この低分子化合物により誘導した歯根膜幹細胞様細胞が歯周組織再生に有効であるか評価するために、ラット歯周組織欠損モデルを用いて、歯周組織再生能(歯槽骨、セメント質、および歯根膜形成)について検討する。
|
研究成果の概要 |
我々はまず、ヒト歯根膜細胞株(2-52)にMEST遺伝子を導入し誘導したヒト歯根膜幹細胞様細胞のcDNAを用いて網羅的遺伝子解析を行い、MESTの発現上昇に伴い、Cadherin-2(CDH2)の発現が上昇することを明らかにした。そこで我々は、CDH2の発現を誘導することが知られているBMP4に着目し、次に、BMP4タンパクを添加した培地にて2-52を培養することで歯根膜幹細胞への転換を試みた。その結果、BMP4により、2-52における幹細胞マーカー発現が上昇し、さらに骨芽細胞および脂肪細胞への分化能を示した。以上より、BMP4がヒト歯根膜細胞における幹細胞転換を誘導する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、BMP4タンパク刺激がヒト歯根膜細胞の幹細胞転換を誘導する可能性を見出すことができた。歯根膜幹細胞は、破壊された歯周組織の再生における移植細胞源として有用であることが明らかになっているが、臨床応用を想定した場合、患者の抜去歯から採取した歯根膜組織より分離できる幹細胞の数には限界があり、十分な数の幹細胞を獲得することが困難なことが課題となっている。本研究の成果により、BMP4タンパク刺激のみで効率よく歯根膜幹細胞を誘導することができることが明らかになった。今後この知見により、より効果的な歯周組織再生法の開発へと繋がることが期待される。
|