研究課題/領域番号 |
22K21025
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
伊藤 慎一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50962114)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 幹細胞能 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性にGFPを発現するGFP-Tgマウスの抜歯と大腿骨骨欠損を行う。その後、治癒3日目の再生組織を採取し、各々を同系野生型マウスの抜歯窩および大腿骨骨欠損部へ同所性または異所性に移植する。そして、GFP発現を指標とした細胞系譜解析を行う。GFP-Tgマウス由来の再生組織を移植した野生型マウスの再生部からGFP陽性細胞をセルソーターで分離し、これらの細胞の増殖能と多分化能を培養系で解析する。採取したGFP陽性細胞を遺伝子情報解析し、分化制御機構を明らかにする。骨再生過程における骨化様式が、抜歯窩と大腿骨骨欠損部で異なるメカニズムを解明し、骨格部位依存的な幹細胞の多様性とその特性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
抜歯窩は常に膜内骨化で修復されるが、大腿骨円形骨欠損部は膜内骨化と軟骨内骨化が混在した治癒過程をたどると言われている。これまでに、骨再生過程における軟骨の出現に関しては、骨欠損部の骨安定性や血液供給、幹細胞の分化能などが注目されてきた。しかし、大腿骨円形骨欠損では骨周囲の環境、血液供給が十分にあっても軟骨が形成された点を踏まえると、骨化様式の差異は骨再生過程に出現する幹細胞の分化能に依存している可能性が大きいと考えた。そこで、本研究では骨格部位依存的に修復組織内幹細胞の分化能に多様性があるかを明らかにすることを目的とする。 8週齢の雄CAG-EGFP-Tg(GFP)マウスとRosa26-tdTomato(Tomato)マウスの左側上顎第一臼歯の抜歯と左側大腿骨骨幹部の円形骨欠損を作製した。損傷後3日目の抜歯窩と大腿骨骨欠損部から再生組織を採取し、各々を野生型マウスの抜歯窩及び大腿骨骨欠損部に異所性に移植した。移植後1週後、2週後に骨再生部を採取し、凍結切片を作製後、GFPまたはTomato陽性細胞の分布を解析した。また、同一の切片でALP染色、Sox9(軟骨関連マーカー)を免疫染色し、GFPマウスまたはTomatoマウス由来の軟骨細胞の存在を検討した。 その結果、抜歯窩再生組織を大腿骨骨欠損部へ異所性移植した場合、骨芽細胞への分化能は維持しているが、軟骨細胞への分化能は獲得していない可能性が考えられた。一方、大腿骨骨幹部円形骨欠損部再生組織の抜歯窩への異所性移植では、咀嚼等により移植組織が脱離したと考えられたので、現在、新たな移植法を検討中である。 今後は抜歯窩への異所性移植、およびBMP2を添加して異所性骨化誘導実験を行うことで、移植片の部位依存的な分化能の差異を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
GFPマウス抜歯窩組織の大腿骨骨欠損部への移植1週後では、GFP陽性細胞の多くはALP陽性細胞と類似した分布を示したが、GFPとSox9が共発現する細胞は確認できなかった。移植2週後では、再生骨の骨細胞に少数のGFP陽性細胞が確認できたが、Tomatoマウスの抜歯窩を移植した場合は再生骨にTomato陽性の骨細胞が確認できた。一方、大腿骨骨幹部円形骨欠損部再生組織の抜歯窩への異所性移植では、咀嚼等により移植組織が脱離したと考えられたので、現在、新たな移植法を検討中である。 抜歯窩再生組織を大腿骨骨欠損部へ異所性移植した場合、骨芽細胞への分化能は維持しているが、軟骨細胞への分化能は獲得していない可能性が考えられた。また、移植材料はGFPマウスよりTomatoマウスを使用した方が、移植後の経過を観察するのに適している可能性が示されたため、今後はTomatoマウスを使用して移植実験を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Tomatoマウスを用いて、異所性移植を行う予定のため、Tomatoマウスを繁殖中である。抜歯窩への移植後の移植片脱離防止については、移植片を留置した後、コラーゲンスポンジやゲル等の生体材料を使用して脱離防止を行う予定である。また、移植片にBMP2を添加し大腿部筋膜下へ移植し異所性骨化を誘導する実験を行う予定である。その結果により、骨格部位依存的に修復組織内幹細胞の分化能に多様性を示すことを目指している。
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