研究課題/領域番号 |
22K21026
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 亀田医療大学 (2023) 日本大学 (2022) |
研究代表者 |
小林 秀太朗 亀田医療大学, 総合研究所, 客員研究員 (90961558)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯根膜 / 島皮質 / イメージング / 光学計測 / 大脳皮質 |
研究開始時の研究の概要 |
歯根膜は、咀嚼や侵害刺激に関わる感覚の受容に重要な役割を果たしている。歯根膜が受容した感覚情報は、大脳皮質の一次体性感覚野および二次体性感覚野と島皮質の背側部との境界領域に投射することが明らかになりつつあるが、それに続いて起こる情報処理については不明な点が多い。 本研究では、歯根膜感覚を最終的に処理する大脳皮質に着目して検討する。マウスの歯根膜に電気刺激を行い、情報処理を行っている神経細胞を様々な角度から可視化する。各手法による違いから、それらの神経細胞の役割を検討するとともに、歯根膜の感覚情報を処理する大脳皮質の処理部位を明らかにする。
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研究実績の概要 |
マウスの歯根膜に反復刺激を行ったカルシウム応答では、一次体性感覚野(S1)、二次体性感覚野(S2)、島皮質(IC)の3か所に分かれて誘発されることが最近示された。しかしながら、ラットにおける膜電位感受性色素を用いた光学計測では、S2とICの応答はマウスのカルシウムイメージングのように別々では無く、その境界領域から一塊として生じることが報告されており、マウスで応答性が異なる理由は明らかとなっていない。このように、マウスにおける歯根膜感覚情報処理については不明な点が多い。そこで本研究では、マウスの歯根膜感覚の情報を処理する部位を明らかにする目的で、フラビン蛍光に着目した光学計測法を行い、大脳皮質の応答性を検討した。 本実験で行う光学計測法を用いた検討にはC57BL6/Jマウスを用いる。ウレタンを用いて全身麻酔を行い、上下左右の臼歯歯根膜に刺激電極を刺入後、骨窓を形成し、中大脳動脈と嗅溝の交点を中心として、S1、S2、ICを含む領域の頭蓋骨に開窓を行った。開窓した左側大脳皮質に、臼歯歯根膜に電気刺激を与え、フラビン蛍光の光学計測を行い蛍光輝度の変化をCMOSカメラにて観察し、平均加算して得られる応答を抽出し、大脳皮質の応答性を検討した。 その結果、フラビン蛍光による観察ではカルシウムイメージングとは異なり、過去のラットにおける応答と同様の、ICから応答が始まり、遅れてS1と背側のS2に拡がる応答パターンを示す個体が多く認められた。このことから、マウスでも臼歯歯根膜からの感覚情報はICから処理が開始されることが示唆された。カルシウムイメージングにおける観察結果と異なるパターンで応答が認められる原因として、刺激方法が異なること、観察手法によって捉えている現象が異なっていることなどの可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年は次の段階として、膜電位感受性色素(RH-1691)を用いた光学計測によって、マウスの応答の特徴を検討する予定であった。しかしながら、研究開始後からRH-1691の入手できない状況であることが判明し、その状態が続いてる。本年は光学計測法としてフラビン蛍光を利用したイメージングの解析を進め、予定した内容の検討を継続した。その結果、ラットと異なる応答性となる理由は種差では無いことが示唆され、今後、カルシウムイメージングによる信号がどこに位置する神経細胞の活動を反映しているのか、また、マウスにおけるカルシウムイメージングと過去のラットにおける膜電位感受性色素を用いた検討では刺激方法が異なることから、その違いによって大脳皮質に誘発される応答が異なるのかを検討する予定である。また計測方法、使用動物の種別により大脳皮質の応答性に差異があることから、こちらも慎重に検討する必要性があり、一部実験計画の変更が求められることになり、次年度への延長が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、フラビン蛍光を利用した光学計測法により得られた実験データの解析を進めているところとなっている。光学計測法だけでは観察手法による応答の違いなのかは判別しにくい。イメージングで記録、検討可能な応答を誘発するには、それぞれの手法に応じた刺激の回数や時間などの制約がある。今回のように刺激間隔が異なることによって応答部位が異なるという可能性を検討するために、必要に応じて別の検討手法をによる追加実験を行う。 そこで、今後はマウス臼歯部歯根膜に対し電気刺激を行った時の応答部位を、神経活動マーカーを指標とした免疫染色を行うことを考えている。C57BL6/Jマウスを用い、刺激条件を変えたことによって応答性が変化するかの検討を行う。すなわち光学計測法によって得られた結果がc-Fos等の神経活動マーカーを利用した検討結果とどのように合致するのかを含めた検討を行う予定である。また、関連する行動を観察することで、行動学的に神経活動の裏付けできないかを並行して検討する予定である。今後は得られた実験データの解析を行い論文投稿を目指す。
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