研究課題/領域番号 |
22K21036
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 尚起 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30965273)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口蓋裂 / JAK2/STAT経路 / MEE細胞 / AG490 |
研究開始時の研究の概要 |
口蓋裂は多因子性の疾患であり、その原因となる因子は一部報告されているが、まだ不明なものも多く存在する。我々は口蓋裂発症のメカニズムの解明に取り組んでおり、炎症で代表的なJAK2/STAT経路に着目した。既にJAK2/STAT経路特異的阻害剤 (AG490) を用いて、JAK2/STAT経路の異常が口蓋裂を発症することを明らかにした。本研究では、JAK2/STAT経路の異常によるMEE細胞の遺伝子発現の変化を網羅的に解析することでMEE細胞の消失に及ぼす影響を解析し、MEE細胞の消失を正常化できる分子標的薬を探索することで、JAK2/STAT経路の異常により生じる口蓋裂を予防する方法を解明する。
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研究成果の概要 |
口蓋裂の発症メカニズムについては今なお不明な点が多い。本研究ではJAK2/STAT経路特異的阻害剤(AG490)を用いて、JAK2/STAT経路の異常で口蓋突起上皮細胞(MEE細胞)の癒合不全が起きるメカニズムの解析とJAK2/STAT経路の異常による口蓋裂に対して新規治療薬となる化合物の探索を目的とした。 AG490投与群のMEE細胞から腫瘍抑制遺伝子のp21の発現が抑制されることが明らかになった。また、葉酸の添加によりJAK2/STAT経路の異常による口蓋突起癒合不全が回復することが明らかとなり、JAK2/STAT経路の異常による口蓋裂に対する新規治療法の新たな手掛かりが見つかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口蓋突起の癒合におけるJAK2/STAT経路の役割についての解析はこれまで報告がなく、本研究成果は口蓋突起の上皮の癒合に着目し、口蓋突起の癒合で最も重要な経路のTGF-bシグナルでは説明できない口蓋裂発症メカニズムを解析しようとする点で非常に高い学術的意義がある。また、多因子性の疾患である口蓋裂発症のメカニズムの中でJAK2/STAT経路の異常から発症する口蓋裂の新しい予防治療法の開発につながる点で社会的意義を有している。
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