研究課題/領域番号 |
22K21039
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中納 麻衣 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (00967101)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 薬物相互作用 / プロポフォール / 抗てんかん薬 / 薬物動態 / タンパク結合 |
研究開始時の研究の概要 |
知的障害者はてんかんを合併していることが多く、抗てんかん薬を内服している患者が多い。しかし、抗てんかん薬内服患者においては全身麻酔薬であるプロポフォールを用いた麻酔からの覚醒遅延が問題となっている。そのメカニズムは解明されていないが、抗てんかん薬によりタンパクに結合していないプロポフォールの割合が変わることがメカニズムの1つと考えられる。本研究は抗てんかん薬の内服がタンパクに結合していないプロポフォールの薬物動態にどのように影響し、プロポフォールの薬理効果にどのように関連しているかを実際の患者で検証する。
|
研究成果の概要 |
本研究は全静脈麻酔下で歯科治療を行った抗てんかん薬内服患者(AED群)と非内服患者(対照群)を対象に,抗てんかん薬の内服が静脈麻酔薬であるプロポフォールの麻酔効果および薬物動態にどのように影響しているか,つまり薬物相互作用について解明することを目的に行われた.その結果,AED群の覚醒時間は対照群と比較して有意に長く,覚醒時の麻酔深度は血中の全プロポフォール濃度および血中蛋白から遊離した遊離型プロポフォール濃度と連動していた.よって、抗てんかん薬の常用は麻酔効果に影響を及ぼしていることが示唆されたが,遊離型プロポフォールの薬物動態に対する影響についてはさらに検討が必要であると考えられた.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
知的障害を有する患者の歯科治療は,常に患者の協力が得られるとは限らず,行動調整を目的としてしばしば全身麻酔下での歯科治療が選択される.また,知的障害を持つ患者はてんかんを合併することが多いため,知的障害者の歯科治療においては抗てんかん薬内服患者に対して全身麻酔を施行する機会が多い.よって,本研究結果は,抗てんかん薬内服患者に対して全身麻酔をする際のエビデンスとして意義のある成果であると考えられる.
|